その他の発疹症 その2

今週も数は多くないのですが、時々見られ、原因の分かる発疹症のお話をします。
SSSS(ブドウ球菌性やけど症候群)Staphyrococcal Scolded Skin Syndromの略で英語の頭文字にSが4つ付くのでSSSSや、4Sと呼ばれたりします。これも又、病名を聞いたことのある人は少ないでしょうか?

[原因]
黄色ブドウ球菌に感染した結果、菌の持つ表皮剥離毒素が血液中に入り、全身の中毒反応を起こしたものです。

[症状]
目や鼻、口の周りが赤くなったと思ったら、1〜2日以内にただれてきます。そして、首、腋の下、そけい部、膝のうらなどにも強い発赤がみられだし、やけどのようになります。強い痛みも伴います。高熱が出る事もありますが、あまり続かないようです。乳児が感染すると重症になり入院治療が必要になる事もあります。7〜10日後に発赤は消失し、首から手足に向って皮膚がむけ始め、ボロボロめくれていきます。だいたい2〜4週で治ります。幼児や学童が感染したときは比較的軽くすむ事も多く、少し重いとびひ(赤みの強いごく小さい水疱の集合)という印象の時もあります。

[治療]
抗生物質。メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)が起炎菌の場合は注意が必要です。重症の場合は点滴、入院管理。やけどに準じた皮膚処置


カポジ水痘様発疹症
[原因]
単純ヘルペスウイルス。ヘルペス歯肉口内炎と同じ原因ウイルスです。初感染だけでなく、再発でも起こります。カポジは見つけた人の名前です。このウイルスは普通は口とか陰部といった局所に症状を出すことが殆どなのですが、基礎疾患としてアトピー性皮膚炎などがあると全身に発疹が出るようです。20代、30代がかかるピークですが、学童にもみられます。繰り返す場合もあります。

[症状]
顔、首、胸、背中など広範囲にみずぼうそうの様な発疹ができます。みずぼうそうとは違って全身にまんべん無く出るわけでなく、部分的にかたまってでたりします。体のリンパ腺が腫れたり、高熱が出る事もあります。肝障害を起こすこともあります。稀に肺炎、脳炎などの全身感染症になることもあります。[治療]抗ウイルス薬。服用して5日くらいで良くなる傾向がみられない場合は細菌感染の合併を考える必要があります。


随分色々な発疹症があります。この他にも原因不明で大人に多い発疹症など沢山ありますが、後はもう診断の付けられないものが殆どですね。子供さんはウイルスの感染で発疹がでることが多いので、ウイルス性の発疹症・・・と言っているものが多いでしょうか?1週間以内に治るものから、1ヶ月以上かかるものから、本当に種々ですが。感染力の少ないものが殆どだと思いますが。次回はどういう時に早く受診しないといけないか、まとめてお話します。

copyright(c) 2004 Yamauchi Clinic. all right reseaved.