[新型コロナウイルスとは] 「コロナ」というのはギリシア語が語源で、王様などがかぶる冠のことです。ウイルスの表面の突起が冠に見えるからこのような名前が付きました。 コロナウイルスは人以外の哺乳類にも感染することが知られています。コロナウイルスの中でもいろいろなタイプがあり、細かく分類されていますが、人に感染するものとして、これまで知られているコロナウイルスは、そのうち6種類です。うち4種類は「普通の風邪」の原因で、残りの2つがSARSとMERSコロナウイルスです。中国語では「冠状病毒」というそうです。 2020年1月8日のニューヨーク・タイムズにて、中国の研究者が新しいコロナウイルスを発見したと報じています。 59人の患者のうち、15人から同じウイルスの遺伝子が検出されたとのことです。 [感染経路] 夫婦での感染事例および国内例の父親との濃厚接触歴はヒトからヒトに感染しうることを示唆していますが、ヒトからヒトへの感染性は高くないようです。家庭内や病院内での濃厚な接触といった限定的な環境では感染しうる、のでしょうが、現時点では容易にヒト−ヒト感染する感染症とは考えにくいです。 感染源はやはり海鮮市場で売られていた野生動物の可能性がありそうですが、武漢での症例のうち他にも海鮮市場との関連のない症例があることが判明しており、閉鎖された市場以外にも感染源があるかもしれません。 コロナウイルスは咳やくしゃみの飛沫にて感染するので、この新型でも飛沫感染はあり得ます。 その後の感染の拡大から、インフルエンザのようなヒト−ヒト感染があるようです。 [症状] 潜伏期間は約10日間(1日〜14日)。 発熱やせき、呼吸困難。熱が続き、呼吸困難が強く出るようです。 1月24日、発症した家族からとみられる無症状感染者が見つかったと英医学誌ランセットに発表されました。自覚のないまま多くの人に接触し、感染を広げる恐れがあるということです。見つかったのは中国・深セン市。7人一家のうち6人が昨年末に武漢市へ旅行し、2人は肺炎で入院中の親戚を見舞いました。帰宅後、武漢に行かなかった1人を含む5人が相次いで肺炎を発症したということです。無症状だった残る2人のうち1人は、検査で肺の異常が見つかり、ウイルス感染も確認されました。 また初期症状は、肺炎に特有の発熱やせきだけとは限らず、下痢や吐き気、頭痛や全身のだるさなど、消化器系や神経系の症状の場合もあるということです。 [国外の発生状況について] 海外の国・地域の政府公式発表に基づくと、1月24日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。 ・中国、感染者830名、死亡者25名。→1月26日現在 感染者1975名、死亡者56名 ・タイ、感染者4名、死亡者0名。 ・韓国、感染者2名、死亡者0名。 ・台湾、感染者1名、死亡者0名。 ・米国、感染者1名、死亡者0名。 ・ベトナム、感染者2名、死亡者0名。 ・シンガポール、感染者1名、死亡者0名。 [国内の発生状況について] ・1例目の感染者は既に軽快。濃厚接触者は全て特定し、健康観察対象者としています。現時点で、当該感染者の健康観察対象者15名全員について感染者は確認されていません。健康観察は1月24日で終了予定。なお、当該感染者は外出時にマスクを着用していたことを確認済み。 ・1月24日、2例目の感染者が確認されました。当該感染者の行動歴について調査が進められており、現時点で濃厚接触者2名を特定し、健康観察を実施していますが、感染者は確認されていません。なお、当該感染者は中華人民共和国湖北省武漢市在住の旅行者ですが、日本滞在中はほぼ常に部屋に滞在しており、移動時にはマスクを着用していたとのことです。 ・3例目 武漢市から旅行に来ていた30代女性 ・4例目 旅行で日本を訪れた武漢に住む40代の男性が26日、新型のコロナウイルスに感染していることが確認されました。 ・この他、海外で発生した感染者の接触者として3名が同定されており、25日に出国予定。 [治療] 特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。 「患者を早期に発見、隔離することが重要だ」としています。 最初の頃は死亡者はない、と言われていたものが、どんどん感染者が増え、死亡者も増え、書いている途中にもアッと言う間に増えました。国外でも書いた他の国にも広がっています。日本での発生者も4名に。今のところすべて日本人ではありません。武漢に滞在している日本人にはチャーター便で帰国。中国の団体旅行は海外も含めて禁止。中国では新しい病院を突貫で建設、となんだか大変なことになっています。SARSもMERSも今では過去の病気になってしまっていますが、これ以上広がらないように、早く治まってくれることを祈っています。 |