風疹

 平成6年から、1歳からの風疹の定期接種が始まり、5年毎に流行していた流行の規模も縮小し、平成9年に小流行してからは、あまり見られなくなりました。その結果、風疹の抗体を持たない大人が増え再び問題になっています。今週は風疹の話をします。

[原因] 風疹ウイルス。上気道粘膜より排泄されるウイルスが飛沫感染します。麻疹、水痘よりは感染力は弱いです。

[症状] 潜伏期間は14〜21日。発熱、発疹、リンパ節腫脹(特に耳介後部、後頭部、頚部)が出現しますが、発熱は約半数にみられるくらいで、リンパ節腫脹は子供には少なく、流行していなければ発疹だけで風疹を見分けることは難しいです。溶連菌感染症の発疹や、典型的でない伝染性紅斑と非常に紛らわしいです。発疹が消失するまでが、出席停止期間です。予後はいいですが、血小板減少性紫斑病(3000〜5000人に一人)、急性脳炎(4000〜6000人に一人)などの合併症をみることもあります大人の場合は手指のこわばりや痛みを訴える事も多く、関節炎を伴うこともあります。(5〜30%)。妊娠前半期の妊婦の感染による先天性風疹症候群が最大の問題です。これは次週に述べます。

[治療] 特異的な治療法はありません。発熱、関節炎等に対しては、解熱鎮痛剤を用いるなどです。

[予防] 風疹ワクチンがあります。生後12ヶ月以上〜90ヶ月未満の男女が対象です。平成6年以前は中学生の女子のみが接種対象でした。平成6年以後は中学生の接種は男女とも対象となりましたが、平成6年に7歳半以上だった子供が14歳になった時点で、すなわち平成13年度で中学生の接種はなくなりました。その後平成15年9月までの間は12歳以上〜16歳未満の男女についても経過措置としてワクチン接種の対象とされましたが、以後は全くありません。

 今は1歳から7歳半までの間でしか無料で風疹のワクチンを受ける機会はありません。今でも中学校の時にワクチン接種があると思っている人が多いです。はしかに比べると風疹のワクチンの接種を忘れている人が多いので、まだの方は是非受けるようにしてください。

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