1月17日、日本気象協会は2019年春の花粉飛散予測(第3報)を発表しました。今春の花粉飛散の傾向としては、2月中旬に飛散が始まり、3月に各地でピークを迎え、飛散量は例年より多いとみられます。
[2019年春のスギ・ヒノキ花粉総飛散量の予測について]
2019年春の花粉飛散量は、例年比でみると、東北から近畿でやや多い地方が多く、中国地方では多いでしょう。四国は例年並みで、九州は例年並みか多めとなりそうです。北海道は例年を下回るでしょう。一方、前年比でみると、北海道から関東甲信、東海は少ない傾向ですが、北陸では多いか、やや多い見込みです。秋田県では前シーズンの飛散量が少なかったため、前シーズンと比べて「非常に多い」予想です。
前シーズンの花粉の飛散量は、全国的に例年よりも多くなりました。前シーズンの特徴として、ヒノキ花粉の飛散量が多い傾向があり、東京ではヒノキ花粉が過去10年で最も多く飛散するシーズンとなりました(例年比約4.9倍、2017年シーズン比約4倍の飛散量、日本気象協会の観測地点 調べ)。今シーズンの予測に向けて花芽調査を行ったところ、ヒノキの花芽の生育が前シーズンほどではないことが分かりました。このため、今年のヒノキ花粉の飛散量は前シーズンより少ないと予測します。
[2019年春のスギ花粉飛散開始時期予測について]
スギ花粉の飛散開始は、関東から近畿、中国、四国地方、九州で、例年より5日ほど遅くなる見込みです。その結果、2月中旬に九州や四国、東海、関東地方の一部から花粉シーズンがスタートするでしょう。
2019年の1月から2月は、気温が北日本では、ほぼ平年並み、東日本は平年並みか高く、西日本は平年より高くなる予想です。2018年12月の気温が平年より高かったため、休眠が遅れた上、これから2月にかけての気温が高めで経過し、スギの雄花の休眠打破が遅れる見込みで、2019年春のスギ花粉の飛散開始は、東日本と西日本で例年より遅くなるでしょう。
スギ花粉は、飛散開始と認められる前から、わずかな量が飛び始めます。1月のうちから花粉対策を始めるとよいでしょう。
[2019年春のスギ・ヒノキ花粉飛散ピークの予測について]
スギ花粉のピークは、福岡では2月下旬から3月上旬、広島・大阪では3月上旬、高松・名古屋では3月上旬から中旬でしょう。東京のピークは3月上旬から4月上旬となり、多く飛ぶ期間が長いでしょう。金沢と仙台では3月中旬から下旬にピークを迎える見込みです。
スギ花粉のピークが終わる頃になると、ヒノキ花粉が飛び始め、その後ピークが始まります。福岡では3月下旬から4月上旬、広島・大阪では4月上旬、高松・名古屋・東京では4月上旬から中旬でしょう。金沢と仙台では4月を中心にヒノキ花粉が飛散しますが、飛散量は他地点と比べると少ないため、はっきりとしたピークはない見込みです。
スギ・ヒノキ花粉の飛散量がピークになる時期は、花粉シーズン中の気温や予想される総飛散量と関係があると考えられます。2月、3月の気温は北日本では、ほぼ平年並み、東日本では平年並みか高く、西日本では高い予想です。
スギ・ヒノキ花粉それぞれのピーク時期は、例年並みか少し早まる見込みです。
毎年毎年、花粉症の方にとっては嫌な季節がやってきます。ひどい方は年の1/4くらいはつらい症状で過ごさないといけないですね。舌下免疫療法が始まって5年目になります。長期戦ではありますが、徐々に効果は出てくるでしょうか。 |