花粉症 (2005/1/26更新

[発症因子]
花粉症はかなり最近の病気です。約40年ほど前の昭和36年に日本で初めてブタクサによる花粉症患者が発見され、その2年後にスギ花粉症患者が発見されました。花粉によっておこるアレルギーの病気です。大人になってからでも突然発症します。かかりやすい人は次のとおりです。
1.遺伝、アレルギー体質:両親にスギ花粉症がある場合、子どもがかかる可能性は55〜60%、片親だけが花粉症の場合は30〜50%、両親ともに花粉症でない場合は10〜30%の子どもがかかるというデータがあります。
2.生活の乱れ:インスタント食品、スナック菓子ばかりを食べている人は添加物が多くアレルギーへの影響は大きいといわれています。他に睡眠不足、生活時間が不規則な場合も、自律神経が乱れ、免疫機能が正常に働かなくなり、アレルギーを引き起こす原因になります。ストレスも原因の一つです。
3.都市的な生活をしている人:機密性の高いマンションの生活で、ダニ、ホコリ、カビなどの増加、自動車の排気ガスによる大気汚染は花粉症の増加につながります。空調による乾燥は、鼻の粘膜も乾燥させ、処理機能を低下させます。スギ花粉の飛散量が多い非汚染地区より、飛散数が少ない大気汚染地区の方が花粉症の症状を訴える人が多い場合もあります。都会では5人に1人は花粉症?!

[原因植物]
一般に風によって受粉する花粉。スギ花粉が約8割を占めています。その他ヒノキ、イネ科(カモガヤ)、キク科(ブタクサ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ)、クワ科(カナムグラ)など。

[症状]
鼻;くしゃみを連発する。鼻水が止まらない。夜も眠れないほどひどい鼻づまり。目;痒くてたまらない。涙が止まらない。充血している。その他;頭痛、ボーっとして思考力がなくなるなどです。鼻の症状は風邪と似ていますが、熱は殆ど出ず、のどの痛みは少なかったり、くしゃみが十数回続けてでたり、と、少し違います。花粉の時期だけでなく、1年中鼻の症状のみられるのは、ホコリやダニ、ハウスダストが原因になっていることが多く、アレルギー性鼻炎として、花粉症とは別に分けられます。

[予防]
花粉が飛び始めたら予防のために次のようなことに気をつけましょう。
1 .風の強い日は外出を避ける
2.帰宅後は洗顔やうがいをし、鼻をかむ
3.外出時には、マスク、帽子、めがねカバーやゴーグルなどを着用する(マスクは、花粉を通さない目の細かいフィルターのもの)
4.目の細かい生地のコートなど、花粉が付着しにくい衣類を身に付ける。家に入るときは、衣類の花粉を払ってから。花粉を家に持ち込まないようにする
5.窓や戸をしっかり閉める
6.外で干した布団や洗濯物には花粉がつくので、取り込む前によく払う
7.室内をこまめに清掃する

[治療]
抗アレルギー剤の内服、点鼻薬、点眼薬など。特に内服薬は花粉が飛散する前に、予防的に早めに内服するのが効果的です。症状が出だしてからでは効かない事もあります。その他、漢方薬が効果がある人も。鼻の粘膜をレーザーで焼く・・・という治療もあります。効果は70〜80%で、半永久的ということですが、再発する、という報告もあります。


今年の花粉の飛散量は、少なかった昨年春に比べ、10〜30倍、例年比でも1.5〜2倍に及ぶと言われています。これは2004年の夏が記録的な猛暑だったためスギの花が沢山実をつけたせいです。さらに12月の暖冬の影響で飛散開始が早まり、2月上旬方からの飛散が予想されています。早い人は12月に軽い症状を感じた方もいますし、1月で既に、少しおかしい・・・と感じておられる方もいます。今年は花粉の飛散開始が「早く」、症状が「重く、」飛散が「長く」続くとの見方もあります。花粉症の方にとって、今年の春はつらい春になりそうです。どうぞ早めに対策をなさってください。


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