2005年度インフルエンザ情報
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No.1インフルエンザ流行予測 No.2鳥インフルエンザ No.3タミフル No.4 No.5 No.6 No.7 No.8   
今年度総括 インフルエンザ脳症 インフルエンザ 

●インフルエンザ情報 インフルエンザ(2006年7月3日掲載)

  本当は夏風邪の話をしようと思っていたのですが、何故、今、インフルエンザ!?という感じです。昨年6月にインフルエンザ陽性の方がいて、随分驚きましたが、今年は各地でインフルエンザの小流行があり、散発的なB型の報告がまだまだみられています。さすがに当医院では、検査もしていませんが、今まででは、この時期にはもう検査キットが無くなっており、検査が出来なかったことも多かったし、はなからインフルエンザは疑いもせず、全て夏風邪しか無いのだ・・・と思っていました。昨今のこの状態は、インフルエンザの常識というものを大きく覆すものです。沖縄では昨年度も夏季にインフルエンザが流行して問題になりましたが・・・・。
  インフルエンザの定点当りの報告数は第4週をピークに減少が続きましたが、第15週以降では減少傾向が止まり、第20週以降は過去5年間の同時期と比較してかなり多い状態が続いています。また地域の局地的な流行が継続しており、沖縄県(25.0)、岩手県(2.7)、青森県(2.6)、秋田県(2.4)、北海道(1.4)、熊本県(1.4)の順となっています。
  ウイルスの分離報告については、流行のピーク時にはAH3(A香港)型が中心でしたが、第16週移行はB型インフルエンザウイルスの割合が78.6%と最も多く、局地的な流行の中心になっています。次いでAH1(Aソ連)型が多くなっています。年齢群別割合では10代が多くなっています。沖縄県では第20週以降報告は急激に増加しており、第24週の定点当り報告数はそれまでのピーク時(第7週)の17.5を大きく上回っています。沖縄では昨シーズンも夏季にインフルエンザの流行があり、第28週に報告数14.3とピークを迎えましたが、今シーズンの夏季の流行は既に昨シーズンを上回っています。流行の中心は沖縄本島地域で他地域と同じく分離されているのはB型です。



  この報告は第24週の報告数を元にしていますので、2週前のデータです。今はさすがに散発的な報告も殆どみられなくなってきています。沖縄に旅行を予定されていた方が、心配してワクチンを打つべきか?!相談に来られた方もありました。ワクチンはどうでしょう? B型にはあまり効果はありませんし、つい先日来シーズンのインフルエンザワクチン株が決定した、という報告を受けたところです。
  東南アジアにおけるインフルエンザ流行は、例年6〜8月の雨期に流行のピークがあるといわれ、2000〜2002年のタイの報告では1〜2月と6〜8月にピークがあります。今後、地球温暖化に伴う気象変動により、沖縄県のインフルエンザ流行形態も東南アジア型に移行することも考えられます。鳥インフルエンザの問題もあり、これからの動向に注意を向ける必要がありそうですね。

●インフルエンザ情報 インフルエンザ脳症(2006年4月10日掲載)

  全国的にインフルエンザはほぼ終息しています。
  昨年度からインフルエンザ脳症が急性脳炎のカテゴリーに組み込まれて、全国の医療機関から報告されるようになったのは、実質的には昨シーズンからです。昨年はB型中心の流行でしたので、B型罹患者が60%以上を占めていますが、大規模の流行であった割には、第14週での報告例は36例でした。届け出時点での死亡例は8例、10歳代は3名、30歳以上が6名含まれており、高齢者におけるインフルエンザ脳症は、従来の小児のものと同じかどうかについては、今後の検討が必要になるでしょう。
  今シーズンは9週までの報告がまとめられています。これまでに、急性脳炎として報告されたインフルエンザ脳症は35例(男児19例、女児16例)であり、週別で最も多かったのは第3週でした。流行の大きかった昨年と第9週の時点でほぼ同数です。インフルエンザウイルスとしては、全てA型であり、年齢別では13歳の2例(男女各1例)以外は、全て0〜7歳でした。13歳の2例は12月と1月の報告でした。多い年齢は4歳、6歳、1歳の順です。報告の多かったのは、東京都、千葉県、栃木県と関東地区。福岡県も次に多かったですが、今シーズンは九州地方や中部地方で報告数が多く流行が大きかった割には、脳症の報告は少なかったようです。京都では報告はありませんでした。転帰とか、ワクチン接種との関連等、詳しいことに関しては、まだわかっていません。一番最初にインフルエンザ脳症が注目されだした当時は、300例プラス倍ぐらいの脳症はあっただろう、といわれています。解熱剤の使用が制限され、タミフルが処方されるようになり、最近の報告は50名までになってはきています。死亡率も30%だったものが、20%前後になってきているようです。

図6.今シーズンにおけるインフルエンザ脳症およびインフルエンザの発生状況 (2005年第40週〜2006年第9週)

  インフルエンザ脳症の中には、突然死タイプのものがあります。これが一時タミフルの服用が原因ではないか・・・という一部の報告もあったようですが、今シーズン、兄弟がインフルエンザに罹患し、その1〜2日後に、少し風邪の症状が出始め、高い熱の出る前、まだ何も薬も服用していない状態の時に、突然死した症例を聞きました。これがインフルエンザ脳症として報告されたのかどうかわかりませんが、突然死タイプは脳症の中でも、数%はあるようです。こればかりは、本当に防ぎようも無く、無念としか言いようが無いですね・・・・。
●インフルエンザ情報 今年度総括(2006年3月27日掲載)
  京都ではインフルエンザはほぼ終息しました。第9週では高知県、長野県、新潟県、富山県、愛知県、北海道、石川県などではまだ多くの報告があります。特に高知県では現在B型の流行が見られているようです。今年度のインフルエンザの流行の状況をまとめてみます。
  今季は第36週あたりから、インフルエンザの報告が始まり、京都では第42週が第1例、第44週で亀岡で学級閉鎖がありました。その後は昨年とは違い、流行の始まりは早く立ち上がってきました。しかし大きな流行となり、タミフルもなくなった2002〜2003シーズンほどの広がりはみせず、軽度の流行と云う印象でした(図1)。全国的なレベルで見ると中等度の流行でしたが、京都はかなり少ない方のようです。2005年第36週〜2006年第9週における今シーズンの定点あたり累積報告数は、宮崎県、愛知県、福井県、長野県、愛媛県、静岡県、埼玉県、福岡県の順に多く、九州地方と中部地方で流行が大きかったものと考えられます(図2)。ウイルス分離ではA香港(AH3)型の報告が中心で、80%強を占めています。しかしAソ連(AH1)型も同じように増加し、18%ほどになっています。AH1型はここ3年間まったく流行しませんでしたので、流行の中心だった、1999〜2000シーズン、2001〜2002シーズン、かなり少なくなるものの2000〜2001シーズンに次ぐ分離がみられました。1シーズンにA型に2回感染された方もパラパラみられる所以です(図3)。B型は全国的に1%と報告数は少いのですが、地域的に随分偏っているようです。高知県では1月中旬に南国市の中学校でB型インフルエンザの大流行がみられ、少なくなったものの今も続いています。四国の他の県では、B型の分離は見られず、他の地方でも、長野県、石川県、静岡県などごく限られた地方でB型の流行が報告されているのみです(図4)。以降も他の地域ではB型の流行がみられるとは思えず、おそらく今季は、散発的な発生は見られるでしょうが、このまま終息に向かっていくものと考えられます。

図1.インフルエンザの年別・週別発生状況(1996年〜2006年第9週)

図2.今シーズンにおけるインフルエンザの都道府県別報告状況 (2005年第36週〜2006年第9週)

図3.型別週別インフルエンザ分離・検出報告数、過去8シーズンとの比較

図4.都道府県別インフルエンザウィルス分離・検出報告数、2005/06シーズン

●インフルエンザ情報 No.8(2006年3月13日掲載)
インフルエンザの流行はほぼ終息しています。規模としては中程度、京都は全国の平均報告数よりも少なかったようです。今シーズン報告数の多かった都道府県は、宮崎県、愛知県、福井県、愛媛県、静岡県、長野県、福岡県の順でした。これまでにインフルエンザの流行が大きかったのは、九州地方と中部地方であったと考えられます。ウイルスの分離数ではA香港型が約80%、Aソ連型が約18%。B型はわずか1%のみでした。今後例年ならば又小流行がみられるかもわかりませんので、まだ注意は必要ですね。

図1.インフルエンザの年別・週別発生状況(1996年〜2006年第8週)

週別型別インフルエンザウイルス分離・検出報告数の推移、2005/06シーズン
●インフルエンザ情報 No.7(2006年2月20日掲載)

インフルエンザはピークを過ぎました。過去5年間の平均と比べると、ピークの時期が随分早いようです。ピークは平年よりは1SDくらいの多さであったようです。いつもの流行パターンだと、この後2月下旬から3月上旬にかけて、B型インフルエンザウイルスの小流行が見られるのですが、昨年度近年にない大きなB型の大流行がありましたの、今年は流行はしないと思われます。又、ソ連型ウイルスが5分の1近くありますので、残念ながらA型に2回感染した方もおられました。日本全国で見ると西日本から流行が始まり、東日本特に東北地方や北海道が少なかったのですが、遅れて流行が見られている、というのも今年の特徴のようです。

図1.インフルエンザの年別・週別発生状況(1996年〜2006年第5週)

図2.インフルエンザの都道府県別報告状況(第5週現在)

週別型別インフルエンザウィルス分離・検出報告数の推移、2005/06シーズン
●インフルエンザ情報 No.6(2006年1月30日掲載)

  今シーズンは流行の立ち上がりは随分早かったですが、その後は急激には増えず、平年よりはやや多い程度でピークになるであろう時期もほぼ平年並みと考えられます。
  第2週までの報告では西日本で多く特に九州地方での報告数が多くなっています。中部地方、東北地方、北海道ではまだあまり流行期入っているとはいえないぐらいです。ウイルスの分離ではB型が殆どないのと、Aソ連型がやはり5分の1くらいの割合でみられているようです。

インフルエンザ

図2.インフルエンザの都道府県別報告状況(第2週)

図4.2005/06シーズンにおけるインフルエンザウィルスの分離結果(2005年第36週〜2006年第2週)
●インフルエンザ情報 No.5(2006年1月16日掲載)
  今年はインフルエンザの流行の始まりが随分早かったです。それでも3年前のシーズンに比べると絶対数は少ないですね。今後はどういう流行状況になるのでしょうか?

図1.インフルエンザの年別・週別発生状況(1995〜2005年第50週)

  インフルエンザの第50週の定点当たり報告数は全国レベルで1.88(報告数8,822)となり、前週の2倍以上に増加し、今シーズン初めて流行の指標である1.0を上回りました。1995/96シーズン以降の11シーズンでは、第50週で定点当たり報告数が1.0を超えたのは今シーズンが6度目であり、今シーズンの値は1995/96シーズン、1996/97シーズンに次いで3番目に高くなっています。今シーズンは第36週以降これまでに、170件のインフルエンザウイルスの分離報告があり、そのうちAH1型(ソ連)は42件、AH3型(香港)は127件、B型1件でした。この様に、AH3型ウイルスの分離報告数の割合が高いのですが、ここ3年間殆ど分離の見られなかったAH1型が少し多いようです。

都道府県別インフルエンザウィルス分離/検出報告状況、2005/06シーズン

都道府県別インフルエンザウィルス分離・検出報告状況、2004/05シーズン


都道府県別インフルエンザウィルス分離・検出報告状況、2003/04シーズン

都道府県別インフルエンザウィルス分離・検出報告状況、2002/03シーズン
●インフルエンザ情報 No.4(2005年12月19日掲載)
  今年はインフルエンザの初めての患者さんが見られた日がとても早かったです。毎年11月くらいから、各地で学級閉鎖の便りは聞かれてはいます。昨年も流行は早いか・・・と言われて、予測は大外れ、非常に遅かったのですが、今年の傾向はどうでしょうか?
  インフルエンザの第48週の定点当たり報告数は0.41(総患者報告数は1,909)であり、過去11シーズンでは、1995/96シーズン(1.27)、1996/97シーズン(0.44)、1998/99シーズン(0.41)に次いで高い値になっています。また、小児科定点のみならず、内科定点も含めたサーベイランスが始まった1999/2000シーズン以降では最多です(図)。都道府県別で定点当たり報告数が1を超えているのは、山形県(2.3)、山梨県(2.0)、熊本県(1.9)、岡山県(1.8)、長野県(1.5)、岩手県(1.3)、福島県(1.0)であり、また前週の熊本県に加えて大阪府でも、管内の定点当たり報告数が10.0を上回って注意報レベルを超えた保健所が出現しています。報告数の増加は全国的な傾向であり、また第45週以降、増加は加速してきています。現在の傾向が続けば、2004/05シーズンとは異なり、今シーズンのインフルエンザの全国的な流行は12月中に始まる可能性が高いと考えられます。
  第36週以降、総計68件のインフルエンザウイルス分離報告があります。内訳はAH1型(香港)9件、AH3型(ソ連)59件、B型0件であり、これまでのところ、AH3型の報告数が多くを占めています。愛知県、川崎市などでAH3型の分離が報告されています。

図.インフルエンザの年別・週別発生状況(1995〜2005年第48週)

週別インフルエンザウィルス分離・検出報告数、2005/06シーズン
●インフルエンザ情報 No.3 タミフル(2005年11月28日掲載)
「薬について」のページに移行しました。
●インフルエンザ情報 No.2 鳥インフルエンザ(2005年11月14日掲載)

 先々週述べたように、今年は東南アジアだけでなく、ヨーロッパでも鳥インフルエンザが次々とみられ、欧州各国では、2年前の日本のようにパニックになっているようです。鳥インフルエンザの最近の状況をお話しします。

鳥インフルエンザの公表発表にもとづく分布(2004年6月以降)

  渡り鳥がウイルスを運んでいます。2003年12月以降現在に至るまで、東南アジアから中央アジア、ロシアなどの広い地域において高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)等の発生が断続的に確認されています。2005年10月にはルーマニアやトルコなどでも野鳥や家禽類への感染が確認されており、発生地域が更に拡大しています。現段階では鳥インフルエンザのヒトへの感染は一般的でなく、ヒトへの感染のほとんどは発症している鳥との直接接触(鳥を殺す、羽をむしる、料理の準備など)によるものですが、このウイルスが変異してヒトからヒトへ感染するようになった場合に新型インフルエンザの流行が起こる可能性があることから、世界保健機関(WHO)では警戒を強めています。中国湖南省の農業当局者は9日、毒性の強い鳥インフルエンザ(H5N1型)の発生が確認されている同省で豚からもH5N1型ウイルスを検出したことを香港メディアに明らかにしました。豚の体内でウイルスの遺伝子が組み替えを起こすと人に感染しやすい新型ウイルスとなる可能性が指摘されており、専門家は監視強化の必要性を訴えています。
  またアメリカの研究グループは、アラスカの永久凍土に埋葬された犠牲者の遺体から遺伝子を回収し、塩基配列を解読し、ウイルスを再現しました。その結果、鳥インフルエンザウイルスに似ており、大流行直前に変異してできたものと考えられるとのことです。変異の一部は現在、アジアで大流行している強毒性の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)とも共通していました。57年のアジア風邪や68年の香港風邪のウイルスは、鳥と人のウイルスが混じり合ってできたと考えられていますが、スペイン風邪には人のウイルスとの混合を示す特徴はなく、鳥のウイルスが突然変異して直接人に広まったものだったとされています。
  人の鳥インフルエンザの感染確定症例数は今年の11月9日までで125名、うち死亡例数は64名ですが、先月に中国でおそらく鳥インフルエンザに感染したと思われる3名の症例(内1名の死亡)がありますが、まだ診断が確定していないとのことです。これが確定すれば中国での初めての感染確定症例となります。また11月にも4例目の疑い例が報告されました。 

WHOに報告された高原病性鳥インフルエンザA(H5N1)感染確定症例数                      
2005年11月9日
発症日
インドネシア
ベトナム
タイ
カンボジア
合計
確定
症例数
死亡例
確定
症例数
死亡例
確定
症例数
死亡例
確定
症例数
死亡例
確定
症例数
死亡例
03/12/26
〜04/3/10
23
16
12
35
24
04/7/19
〜04/10/8
04/12/16
〜現在
65
22
81
32
合計
92
42
20
13
125
64
*注  確定症例数は死亡例数も含む。WHOは検査により確定された確定例だけを報告する。

  新型インフルエンザの発生はいったいいつになるのでしょうか?2年前に日本で鳥インフルエンザが見つかったときは本当にもうカウントダウン・・・という気がしました。そこから2年、新型インフルエンザへの懸念は、初めて人が感染して死亡した1997年から言われ続けています。今注目されているH5N1型なのか、少し前に問題になったH7型なのか・・・。アメリカのウイルス解析から突然変異もありうるようで、心配ですね。さらに治療薬のタミフルの服用による異常行動の結果による??死亡例の報告があります。今流行しているインフルエンザにはタミフルが必要ないと感じる症例も無くはないです・・・。しかし新型に関しては、死亡数は十数万人に上るだろうといわれており、タミフルの服用はどうしても必要だと思います。さらに現在流行が開始していると思われる時にタミフルが手に入りません・・・。問題はいろいろあるようです。
●インフルエンザ情報 No.1 インフルエンザ流行予測(2005年11月7日掲載)

昨シーズンは流行の開始が遅く、大流行で6月ごろまで見られました。又沖縄では7月に再び小流行がありました。その後も各地で夏季の施設内流行、外国よりの帰国者など、ごく少数のみ報告されています。その殆どがAH3型のA香港型のようでした。昨年の流行予測では、流行の開始が早く、小流行だろう・・・ということでしたので大きく外れたわけですが、今年度はどうなるでしょうか?

インフルエンザ流行規模の比較と今季の予想

1.昨シーズンの流行の規模は、大流行となりました。周期的にはここ 6年間、中流行、小流行、中流行(小に近い)、中流行(大に近い)、中流行、大流行です。大流行は1997〜98年のシーズン以来です。ここ3年間は、小流行もなくある程度の規模の流行が続いています。大流行が2年連続することはなく(18シーズン統計)、大きな流行にはならないだろうと考えます。

2.ウィルスの型でみると、昨シーズンは後半B型が主になり流行規模を大きくするという近年では非常に珍しい流行形態でした。A香港型(H3N2)と協調し、Aソ連型(H1N1)もわずかに出現したシーズンでした。それ以前の2シーズンは、A香港型(H3N2)を主流にB型が加わった形でした。
A香港型(H3N2)は、ここ16年間連続して出現しています。今年も続くと考えます。Aソ連型(H1N1)は、昨年、一昨年に僅かの出現であり、今シーズンはある程度の規模で出現すると考えます。B型は昨シーズンに大流行しました。それ以前の3シーズンは毎年少しですが出現しています。今年もまた僅かの出現と仮定します。
そうするとA香港型(H3N2)、Aソ連型(H1N1)が協調し、それにB型が加わることになり、流行の規模が小さいときの組み合わせです。(ただ昨年のように抗体保有率の少ないB型ウイルスが出現したときは、同様に流行規模は大きくなると考えられます)

3.今年の6月〜8月の天候をみますと、降水量は北日本から東日本は平年並み、西日本では少なく、南西諸島ではかなり多い状態でした。9月は台風の影響で九州、四国地方で平年を大きく上回りました。  気温は全国的に高く、特に西日本ではかなり高くなりました。日照時間は、北日本・東日本の日本海側では平年並みでしたが、その他は多く関東甲信、四国、九州地方はかなり多い夏でした。今年の夏は、流行規模が小さくなる因子と考えられる多雨・低温・日照不足は認められませんでした。

したがって周期、ウイルスの点から考えますと、今年の冬のインフルエンザ流行の規模は小流行で、大きくはならないと予測します。 ただし、世界的に感染力の強い新型ウィルスが近々現れてくるだろうと心配されています。この場合は全く異なります。この点は要注意です。
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