尿ケトン体(13/11/11更新)

[ケトン体とは]
脂肪分をエネルギーに変換した結果、発生する物質がケトン体です。普通、人間の体では、食事から得られる糖をエネルギー源として用いています。しかし、何らかの原因(食欲不振、嘔吐、絶食など)で食事から摂取する糖分が減少したり、糖質の代謝が障害されると、身体に蓄えている脂肪を分解してエネルギーに変換するようになります その副産物のケトン体が尿に排出されてきます。 よって、ケトン体は身体の飢餓状態を表す指標とされます。

[検査の目的]
1) 尿のスクリーニング検査として
2) 糖尿病の経過観察として

[基準値]
尿中総ケトン体100μmol/l以下、と値はありますが、普通は量は測らず、定性試験を行います。
正常は陰性。陽性であれば異常です。
直接脱水の程度を示すものではありませんが、ケトン体が検出されると言う事はそれだけ物を食べられないということですので、脱水症状になるほどひどい嘔吐しているかどうかの一つの参考になります。

[陽性である時の病態]
糖尿病 ・ 下痢 ・ 嘔吐 ・ 過度のダイエット ・ 激しい運動後 ・ 妊娠悪阻 など尿ケトンが陽性=脱水という訳ではありませんが、(+++)であったりすると飢餓状態が強く、血液も濃縮されているということで、病院では下痢・嘔吐の症状のある子さんは殆ど検査をされているようです。
個人的にはあまり検査はしていません。アセトン血性嘔吐症の場合は、ほんの少しの嘔吐、または嘔吐もなくたった1食分食べられないだけで非常にぐったりしてしまうお子さんもあります。この場合は水分は取れて、尿もでているので脱水とは言えないですね。低血糖の状態が強いですね。おそらく子どもさんの場合は嘔吐が半日続くと、尿ケトンは殆ど方が陽性になっているのではないでしょうか…。と思いますので、検査よりも本人の状態をみて点滴するかどうかを判断しています。甘い食物を少しずつ摂って頂いていると、ほとんどの方は翌日には元気になっていますね。

copyright(c) Yamauchi Clinic. all right reseaved.