13価肺炎球菌結合型ワクチン(プレベナーPCV13)(12/11/5更新)

ファイザー株式会社は7月25日、13価肺炎球菌結合型ワクチン「プレベナー13」の乳幼児(接種対象は生後6週間〜6歳未満)に対する承認申請を24日に行ったと発表しました。同社は国内初の小児用肺炎球菌結合型ワクチン「プレベナー」(接種対象は生後6週〜9歳未満)を2010年に発売しましたが、今後は、より広範な血清型による侵襲性肺炎球菌感染症の予防が期待できるプレベナー13に切り替えていく方針です。

[ワクチンの内容]
プレベナー13は、7価肺炎球菌結合型ワクチンのプレベナーに新たに6種類の抗原(血清型1、3、5、6A、7F、19A)を加えたワクチンです。これら6種類の抗原のなかには、世界的に増加傾向が認められ、薬剤耐性菌の比率が高い血清型19Aも含まれています。国内でも、侵襲性肺炎球菌感染症に占める血清型19Aの割合が近年増加して脅威となっているため、血清型19Aに対する有効な予防手段としてもプレベナー13の役割が期待されています。
全菌株に対するプレベナーのカバー率は71.8%となりますが、プレベナー13の肺炎球菌の日本株に対するカバー率は88.0%となります。19A、6A型に加えて、小児急性中耳炎そして高齢者の肺炎から高率に分離され、しかも重症化しやすい3型もカバーできます。

[世界各国での実施状況]
日本よりも10年早くプレベナーを導入し定期接種を開始した米国においては、プレベナーに含まれる7種の血清型による侵襲性感染症は100%近く減少しました。もともと日本では感染者は米国より少なかったのですが、日本においても、プレベナーの公費接種が進んだ結果、肺炎球菌による細菌性髄膜炎の発症数に減少傾向が見られています。国内の10道県で実施されている疫学調査からは、公費助成後の2011年には開始前の2008〜2010年に比べ、肺炎球菌による細菌性髄膜炎(全血清型)は25%減少したことが示されています。(先々週のトピックス参照)
プレベナー13は、2009年12月に欧州で、2010年2月には米国において、それぞれ乳幼児への適応が承認されました。現在では、世界の100カ国以上で承認され、米国、英国、ドイツ、フランスを含む62カ国で定期接種ワクチンとして導入されています。プレベナー13を小児期の定期接種ワクチンとして導入したこれらの国では、導入前と比較し、プレベナー13で新たに追加された19Aを含む6種類の血清型による侵襲性肺炎球菌感染症が減少したことが既に示されています。

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7月に承認申請を行ったところですので、実際いつからこのワクチンが打てるようになるのかはわかりません。急ぎ過ぎは良い結果にはならないようですが!このワクチンも公費負担の対象になるのかどうか、等もわかりません。副反応に関しては、特別なものは報告されていないいので、早く切り替えられると良いですね。
とはいえ、日本ではまだ今のワクチンでさえ定期接種にはなっていませんので、まだまだ先の長い話です。

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