エンテロウイルス71(12/7/17更新)

[ウイルスについて]
エンテロウイルス感染症のところで述べましたが、腸管内で増殖するウイルスの総称のため、腸管ウイルスともいいます:エンテロ(entero='腸')。腸管ウイルスは、ポリオ・コクサッキー・エコーの各ウイルスを含みますが、新たに発見されたものについてEV68〜71,73と命名されています。

[これまでのエンテロウイルス71の流行]

[2012年カンボジアでの流行] プノンペン 9日 ロイター
カンボジア保健省と世界保健機関(WHO)は8日遅くに声明を発表し、同国で4月以降に子どもが相次いで死亡している原因不明の病気について、手足口病の原因となるエンテロウイルス71型(EV71)が検出されたと発表した。
声明によると、調査の結果、患者から採取した多くのサンプルからEV71が検出された。ほかにも、デング熱の病原体やブタ連鎖球菌が検出された例もあるという。モム・ブンヘーン保健相は声明の中で、調査は続けられており、数日以内に最終的な結果を出すことを目指していると述べた。
また、死者数については、病院に運ばれた子ども59人のうち52人が死亡と集計を改めた。当初、WHOは高熱や脳炎、呼吸器症状の兆候を訴えて首都プノンペンと北部の都市シェムリアップの病院に運ばれた子ども61人のうち、少なくとも60人が死亡したとしていた。

[手足口病分離ウイルス]

今年は日本では手足口病は少ないし、原因ウイルスはコクサッキーAが中心でエンテロウイルス71はごくわずかです。過去に日本でも1997年に3名死亡例がありましたが、その後2010年に少し大きな流行はあったものの、幸い重症例は脳炎も含めて報告は耳にしていません。今年は中国ではまた手足口病が多く、ベトナムでも大流行とのこと。最近韓国でも、手足口病でお子さんが一人亡くなられたようで、韓国では数年前から、年に2.3例の死亡例があるようです。手足口病が、というより、このエンテロウイルス71、というウイルスが、どうやらなにが子どもに対して大きな合併症を引き起こすことが多いようですね。

copyright(c) Yamauchi Clinic. all right reseaved.