三種混合ワクチンDPT(06/11/13更新)

[内容]  ジフテリア不活性化ワクチン(ジフテリアトキソイド)・・・D、破傷風不活性化ワクチン(破傷風トキソイド)・・・T、百日咳不活性化ワクチン ・・・P、の三種が含まれています。不活化ワクチンとは病原体を加熱やホルマリンによって,感染力や病原性を不活化させたワクチンです。体内に入っても細菌やウイルスは増殖しません。不活化ワクチンは、液性免疫系を刺激することで成立するので、免疫持続が短いです。なので、一定期間で数回接種して基礎免疫を作る必要があります。それ以後も一定の年をおいて追加の接種が必要になります。

[接種間隔]  第一期の初回接種は 生後3から90カ月に達するまでの間に行いますが、できるだけ早いほうがいいです。推奨されるのは下記のとおりです。
1期 初回 3カ月から(3から8週間隔で3回) 遅くとも、1歳〜1歳6ヶ月までに3回が終了するように。
1期 追加は1期初回終了後1年から1年半で1回 。3歳までに(ここまではDTP3種)
2期 小学校6年(ただDTかT単独)
DTPのような不活化ワクチンで免疫記憶細胞を誘導する(免疫の初期化)には、必要量の抗原を3〜8週間隔で2〜3回接種します(1期初回接種)。ただし、1期初回接種で産生される抗体レベルは低く、感染防御レベルを維持できる期間はせいぜい1年半程度にすぎません。そこで、1期初回接種終了おおむね1年後に再接種(1期追加接種、ブースター接種)します。これによって抗体価は飛躍的に上昇し、感染防御レベル以上の抗体価が約10年間持続します。免疫の初期化がきちんと行われていれば、ブースター接種時期が数年遅れても、気がついたときに1回追加接種を行えば良好な抗体反応が認められます。

[副反応]  三種混合ワクチンは、局所反応が強い注射です。腫れたり、しこりが残ることがあります。しこりは1週間後くらいからできだして1ヶ月くらい残ることもあります。回数を経るごとに注射部位の貼れが強くなってくるものです。かなり強く腫れても、1週間前後で自然に腫れが消えていきます。ときには抗ヒスタミン薬の内服や軟膏を使用することもあります。また痒くて引っ掻くと悪化しますので、止めさせて下さい。(暖かくなると痒みが強くなるので、冷やして下さい)。
発熱については、三種混合ワクチン接種後の当日または翌日におきることがありますが、その頻度は局所の腫れよりも極端に少なく、実際にはあまり見かけません。熱が高いようでしたら、熱冷ましの薬を使ってもかまいません。通常は翌日には解熱しているようです。

  DPTワクチンが一時中止になった後、百日咳が大流行したのは、丁度私が大学を卒業した時で、あの時の悲惨な様子は今でも記憶に新しいです。名前のとおり、咳は百日余り続きます。止めることはできません!月齢の小さいお子さんは、原因の分からない無呼吸発作で入院し、それが百日咳だったことも多かったです。今は百日咳はほとんど見られませんが、百日咳菌はまだまだ多く存在します。大人の方の咳の続く風邪?の中にもかなり百日咳の抗体価の上がっている人がいます。生後3ヶ月過ぎたら早くワクチンは受けるようにして下さい。最近は4ヶ月でBCGがあるので、それを受けてから1ヵ月後から始める方が増えましたが、誕生日の関係でできるなら、間に入れることも可能です。ご相談ください。

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