咳喘息

[病態] 最近増えている病気です。ゼーゼーや呼吸困難がなく、慢性に咳だけが続く病気です。正式には喘息ではありませんが、喘息と同じような気道の炎症が起こっていると言われています。適切な治療をしないと喘息に移行する事もあるようです(約30%)

[原因] 良く分かっていませんが、かぜの後におこることが多いようです。 

[症状の特徴]
@咳がでても痰は殆どでない。
A咳き込む回数は少ないが出るととまらない。
B咳は夜間から明け方にかけて出ることが多い。
C冷たい空気やタバコの煙をすうと咳き込みやすい。
D会話や運動で咳が誘発される。
 女性に多い傾向があるようです。咳喘息では検査にて、血液中の好酸球増多、血清IgE値の上昇といった、アレルギーの所見がみられることがあります。 長期間咳が続くときは下記の感染後の気道過敏とオーバーラップして、区別困難な場合があります。
  感染後の気道過敏性亢進:感染により気道の粘膜が障害され、荒れてちょっとした刺激で咳が誘発される。咳が出ることによってさらに荒れがひどくなり、咳が続くという悪循環におちいる。

[治療] 抗生物質や咳止めは効果がありません。気管支拡張剤、吸入ステロイド剤、抗アレルギー剤が使われます。気管支拡張剤が効果がありますが、咳が軽くなっても消失はしないので、子供さんには使いにくいですが、吸入ステロイド剤が一番有効です。短期間の使用では再発することがあるので、喘息に移行することを防ぐためにも、症状がおさまっても一定の期間は続けないといけません。(1〜3ヶ月)咳喘息と同様の症状で、気管支拡張剤やステロイドが無効のものをアトピー咳漱ということがあります。この場合は、抗アレルギー剤が有効と言われています。

 咳喘息は多くみられていますが、はっきりと診断するのは難しく、特有な所見がないために、治療によって診断する場合が多いというのも現状です。痰を伴わない咳が数週間以上続き、気管支拡張剤や吸入ステロイド剤で効果があれば咳喘息、ということになります。

 長期間咳が続く時、 他に副鼻腔炎、マイコプラズマ感染症(40週参照)、結核、大人では、肺癌、気管支拡張症、慢性気管支炎などがかくれている場合もありますので、必ず受診するようにして下さい。

copyright(c) 2004 Yamauchi Clinic. all right reseaved.