アレルギー性紫斑病

 今週はこの病名の患者さんがありました。あまりなじみの無い病名かと思います。年間に出会う数は少ないですが、珍しい病気ではなく溶連菌感染症の後にみられる事もありますので(第35週参照)少しお話します。

[病態] アレルギー反応の結果、極細い血管の壁が破れてしまいそこから血液がもれて出血するという病気です。別名血管性紫斑病ともいいます。                                                                

[原因]
 風邪や虫刺されなどの後に起こることがありますが、原因ははっきりとは分かっていません。

[症状] 下肢、足首や膝に出血斑があらわれます。上肢やおしり、時には顔面にもでることがあります。関節内への出血があるので手足の関節の強い痛みもあり、おなかの中にも出血するのが特徴で強い腹痛、血便がみられたりします。こういう症状がそろっていれば、診断はつけやすいですが、他の病気と分かりにくいときもありますので、血液検査や腹痛の強いときは腸重積などとの鑑別診断が必要になったりします。 出血斑が見られる前に腹痛だけがあることもまれにあります。

[治療] 安静にすることが大切です。痛みが強い場合は入院が必要になることが多いです。この病気を治すための特別な治療は無く、関節痛、腹痛を抑える、絶食のために点滴するといった対症療法が中心になります。

[紫斑病性腎炎] 出血は普通2〜3週以内におさまりますが、発病1ヶ月位までの間に血尿がでるという、腎炎の症状を起こすことがあります。 良くなったり悪くなったりしながらも、子供の場合は普通この腎炎も、3ヶ月くらいで自然に治ることが多いですが、5%ほどの患者さんが慢性の腎炎に移行することがあります。年長児に多いようです。

 皮膚に出血斑が見られるようなことは、そうそう無いと思います。出血斑である、ということもわかりにくいと思います。お子さんがこういった状態になる可能性はかなり少ないと思いますが、皮膚に覚えの無い青あざがたくさんあったり、足にわからない湿疹が出ているときはいろんな病気が考えられますので、早めに受診するようにして下さい。

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