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●花粉情報 No.5(2005年4月25日掲載)
  スギの花粉飛散はピークを過ぎました。とリあえず、ホッとしている方も多いでしょうか?しかし、ヒノキの花粉が大量に飛び出しています。同じ条件で、ヒノキも例年に比べると飛散量が多いようです。4月の中旬以降がたまらなくひどくなった方もあります。これも5月ゴールデンウィークを過ぎると症状は出なくなるでしょうが!もう少しの辛抱ですね・・・。暑い時期のイネ科の花粉症の方もあるでしょうが、とりあえず夏場は症状が出ない人が圧倒的に多いです。子供さんはイネ科の花粉によるアレルギー性結膜炎が多いですが。




今年の花粉飛散量は過去最大とも言われました。寒さのせいで飛散開始は遅く、症状のひどい時期がまだ短かったのが幸いでしたでしょうか?アレルギーの薬は沢山開発されてきていますが、今ひとつ症状は軽くならない・・・という人も多いです。厚生労働省も以下のようにいろいろな対策を講じているようです。ワクチン開発に期待したいところですね!

花粉症の対応策
[1] 予防・治療法の開発・普及(文部科学省・厚生労働省)
  理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センターと国立病院機構相模原病院は、基礎研究成果の臨床への応用を推進するため、研究協力に関する協定を取り交わしており、アレルギーワクチン開発等の共同研究を進めている。
平成4年度からアレルギー疾患について臨床研究事業を推進している。(厚生労働科学研究費補助金免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業)
[2] 花粉の少ない品種等の開発・普及(農林水産省)
  花粉の少ないスギ品種や花粉の無いスギ品種の開発・普及や、花粉に含まれるアレルゲン量の少ないスギ品種の開発へ取組んでいる。
[3] 雄花の量が多い木の抜き伐り、間伐の推進(農林水産省)
  都市周辺において、雄花の量の多いスギの木を抜き伐りする技術を確立するための事業を実施する。
雄花の量が多いスギ林分における重点的な間伐を実施する。
[4] 花粉症に対する適切な医療の確保(厚生労働省)
  診療ガイドライン等の周知徹底を図る。
治療上疑義が生じる専門事項については医療機関向け専門相談窓口を開設する等して、適切な医療の確保に努めている。
医薬品の確保についても、都道府県等に協力をお願いした。
[5] 花粉及び花粉症に関する情報の提供(厚生労働省・農林水産省・環境省)
  スギ花粉症に関する関係省庁担当者連絡会議における情報交換を踏まえ、厚生労働省・林野庁・環境省の花粉症関係サイトを相互にリンクし、引き続き関係省庁が連携して花粉症に関する情報提供の充実に努めることとしている。
相談窓口の設置について、都道府県等に協力をお願いするとともに、各都道府県等の保健師等職員を対象に、花粉症対策に係る必要な知識を習得させ、地域における相談体制の確立のため、相談員養成研修会を実施している。
その他
花粉症対策研究の総合的な推進(内閣府・関係省庁)
  関係省庁における花粉症対策研究の総合的な推進に資するため、総合科学技術会議のもとで、科学的観点からの検討を進め、その総合調整の下、花粉症対策研究の推進を図る。
 
●花粉情報 No.4(2005年4月11日掲載)

  花粉の飛散は、3月中旬以降は、寒さのせいで少し減ったようです。4月には入って多い日もあり、3月にはそれほどでもなかったのに、ここにきて症状が強くなった・・というお子さんもありました。ひのきの花粉の飛散も、ぼちぼち始まっているようです。花粉症対策は、部屋の中に花粉を入れないことです。外に干した洗濯物は、花粉をよく払い落としてから取り込みましょう。また干した布団は、よくたたいてから取り込み、さらに掃除機をかけて残っている花粉を取り除きましょう。その間、花粉を吸い込まないようにマスクの着用も忘れずにしましょう。また、動物の毛は花粉が付着しやすく、お散歩などから帰ってそのまま部屋に入れてしまうと、室内に花粉が入る可能性があります。ペットのお散歩は、なるべく花粉の飛散量が少ない早朝にすませたり、ペットを家に入れる前にブラッシングをして花粉を取り除いく習慣をつけて下さい。



 
●花粉情報 No.3(2005年3月28日掲載)

  花粉が飛び出すと、さすがに今年は予想通り多いようです。例年の平均と比べて飛散量は日によって恐ろしく多い日があります。年齢の低いお子さんでも、今年は目のかゆみ、ハナ、くしゃみ、鼻づまりを強く訴えておられます。3歳というのが報告されている最低の年齢です。本当の意味の花粉症ではありませんが、1歳代のお子さんが天気のよい暖かい日に長時間、戸外で遊んでいて、花粉症と全く同じ症状がでて、入浴して体、目を洗ったら症状は取れ、その後は出なかった・・・という例もありました。とにかく、花粉の飛散の多い日は、出来るだけ外出せず、花粉は家に持ち帰らないこと、が大切です。
  花粉の飛散量は1日の内でも変動します。花粉が多く飛散する時間帯は、花粉が舞い上がる昼過ぎの「午後1時〜午後3時」と地表近くに降りてくる日没の「午後5時〜7時」です。この時間帯の外出は出来るだけ控えましょう。
  花粉が多く飛ぶ日は次のような時です。気をつけてください。
  ・ 晴れて気温が高い日
  ・ 乾燥して風が強い日
  ・ 雨の日の翌日で晴れた日
  雨で地面に落ちていた花粉が一気に舞い上がり、二日分の花粉が飛散する恐ーい日です。

■共同通信 3月24日からの記事です。
  体内の免疫反応を安定した状態に保つタンパク質を菊谷仁大阪大微生物病研究所教授(免疫学)らが見つけ、米科学誌に24日、発表した。免疫のバランスが崩れて起きるリウマチなどの自己免疫疾患や、アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患の治療につながる可能性があるという。ヒトの免疫反応は2種類の免疫細胞に制御され、バランスを取っている。一方の活動が過剰になると自己免疫疾患に、もう一方ではアレルギー疾患になる。
  菊谷教授らは、一方の免疫細胞の表面に大量に現れるタンパク質を発見。このタンパク質を作ることができないようにしたマウスは、この免疫細胞ができずアトピー性皮膚炎を発症した。
  菊谷教授は「このタンパク質の状況を観察すれば、患者の免疫状態が分かる。タンパク質の制御で病気の治療にもつながるのではないか」と話している。

●花粉情報 No.2(2005年3月14日掲載)

  予想通り、花粉が飛び出しました!京都府の飛散開始日は3月2日ということでした。近畿地方では3月7日から花粉が急増し,各地とも数十個/平方センチの飛散状況です。和歌山県南部や徳島県では100個以上の飛散が見られています。街ではマスク、メガネの格好の人が急増です。例年の平均と比べると異常な多さです。とにかくできるだけ花粉を浴びることを少なくするように努めて下さい。花粉飛散の多い年は年齢の小さいお子さんも症状を訴えています。今まで症状のなかった人も出てくる可能性があります。おかしいと思ったら我慢せずに受診するようにして下さい。



●花粉情報 No.1(2005年2月28日掲載)

  暖冬が一変して、寒い冬になり、予想に反して花粉の飛散はまだまだ多くありません。因みに昨年の関西地方の飛散開始日は2月20日でした。早く飛散するという予報がおおはずれで、助かった人も多いでしょうか?しかし、飛び出したらその飛散量はやはり例年の数倍はあるでしょう。
  2月15日現在、スギ花粉が1月に飛散開始条件になった地点は南関東3地点(武蔵野市、富里市、南足柄市)でした。しかし,いずれも1月上旬だったために,その後寒気が予想外に強くなり本格的な飛散開始には至りませんでした。2月になっても気温は全国的に低く推移し,北陸,東北北部,北海道では現在でも積雪があり,今年は例年よりこれらの地点は飛散開始が遅れる見込みです。関東以西の太平洋側では2月10日以降に飛散開始した地点が東海,南関東で数地点あり,近畿以西では17日に2桁飛散した地点もあり,いよいよこれからが本格飛散開始となります。3月6日頃には飛散の多い日を迎えそうです。


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