子どもの低血糖(2015/9/7更新)

[低血糖とは]
身体には血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)を一 定にレベルに維持する調整機能があります。食事をすると高まり、高くなると膵臓からインスリ ンというホルモンが分泌され、血糖値をを下げるように働きかけます。血液中のブドウ糖の濃度が非常に下がることによって、いろいろな症状がおこってきます。特に脳は大量のブドウ糖を消費するために、糖分が足りなくなると脳の機能に問題が起こってきます。

[原因]
1) 糖分の摂り過ぎ
一気にたくさん糖分を摂ると上がってしまった血糖値を下げようとして、インスリンがたくさん分泌され、一気に血糖値が下がってしまい、低血糖となります。大人より血糖値を一定に保つための内臓の機能がしっかりしていない子供は、低血糖になりやすいです。
2) 食事量が少な過ぎる
食べる量が少ないと、空腹時に下がっている血糖値が十分に上がらないため低血糖になります。
胃腸炎に感染して、嘔吐・下痢の為食事ができないと低血糖になりやすいですが、症状がひどくなるかどうかには個人差もあります。
3) 食事の間隔があき過ぎる
昼食と夕食の間は時間が空くことが多いので、子どもは低血糖になりやすいです。その為におやつは必須です。
朝食を摂らないことも低血糖の原因となります。不規則な食事の摂取のしかたは良くはないですね。
4) その他
*ビタミンの不足、運動量が多い、ストレスなど
  バランスの良い栄養を摂る、ストレスをためない、運動中に糖分を補給することが大切です。
*何らかの原因(糖尿病の薬の作用など)で血糖値を下げるインスリンがたくさん分泌される時。
*肝臓の機能不全でブドウ糖が作られなくなる時。

[症状]
体に起こる症状:
  動悸が起こる、冷や汗が出る、眠い、お腹が空いてたまらない、頭が痛いなど
精神面に現れる症状:
  わけもなくイライラする、不安になる、集中力がなくなる、ぼーっとしてしまうなど
動作に現れる症状:
  目の焦点が合っていない、目が泳いでいる、言葉がスムーズに出ない、生あくびが出るなど
症状が進んだ時:
  疲労感がとても強い、全く集中できない、混乱してしまう、めまいがする、震えがおこる、ろれつが回らなくなるなど
更に進むと:
  意識がなくなる、けいれんが起こる

[治療]
血糖値を上げること:ブドウ糖の含まれている食品
インスリンの分泌異常、肝臓の機能不全などの異常が見つかればそれに対する治療が行われることになります。
低血糖症対策

★甘いものを食べすぎない
  砂糖を使用した菓子をなるべく避ける。
原材料に「砂糖」「ブドウ糖液糖」「果糖」の含まれる加工食品、食材はできるだけ避ける。  
★血糖値の上がりやすい食事をしない
  精製された炭水化物 (小麦粉主体のパン、うどんなどの食品、白米など)を摂りすぎない。  
★たんぱく質をたくさん摂る
  肉類、魚介類、卵、大豆製品などから、たんぱく質、ビタミン類を摂る。
少なくとも肉、魚、卵、豆腐のうち一つは1食の中に含めるようにして 、1日に1回は肉、魚、卵などの動物性たんぱく質を摂るようにする。 
★分食、もしくは1日3食決まった時間に食べる
  分食とは同じ食事量を5〜6食に分けて食べる事 。空腹のタイミングがないように食事を摂る。
分けて食べることであり、過食ではない
★間食をする
  低血糖の自覚症状がある場合は、めまい等を感じてから飴やチョコレートを摂るのではなく、空腹でめまいが起こる前 ( 血糖値が下がる前 ) に豆、チーズ、小魚、ナッツなどの間食をとる。
食べ過ぎに注意。
★体を動かす
  食後 ( 血糖値が上昇している時間帯 ) に軽く汗をかく程度のウォーキングなどで、血糖の上昇が緩やかになる。

朝食を食べずに学校に行ったりすると、低血糖で集中できなくなってしまう事はよく言われています。給食前の4時間目にしんどくなったり倒れたりすることもあるかもです。規則正しい食生活が大切ですね。

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