マラセチア毛包炎(2015/8/31更新)

[マラセチア毛包炎とは]
マセラチア菌というカビの一種(別名:癜風菌)が異常に繁殖することで毛穴に炎症を起こします。毛穴の中でマラセチアが増えると、分解された皮脂が遊離脂肪酸という、肌にとって刺激になりうるものに変わります。この刺激に強く反応すると、炎症がおき、小さなブツブツができたり、膿がたまったりする、とみられています。
健康な皮膚の表面にいる常在菌なのですが、高温、多湿、多汗、不潔などの環境および皮膚の問題がある時、また光に当たったあとに生じることもあります。

[症状]
以前は、アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎のある青年〜中年の男性に多く見られましたが、最近では、小児や若い女性にもみられるようになってきました。
好発部位は胸部、背部、肩、上腕などです。毛包のところに小さい比較的均一な発疹がくっつき合うことなく多発します。発疹の先に膿を持つこともありますので、ニキビと非常に鑑別しにくいことがあります。が、ニキビよりは小さく、かゆみは少し軽度のことが多いようです。

[診断と治療]
皮膚科で、毛包炎の所にマラセチア菌がいるかどうかを顕微鏡で診断してもらう必要があります。
菌が見つかったら、抗真菌薬(イミダゾール系)の塗布が必要になります。抗真菌薬を1〜2か月塗布すると、多くの場合、症状は改善されます。内服薬による治療もあります。ただし、いったん治癒しても、皮脂や汗で清潔が保たれていなかったりすると容易に再発してしまいます。治った後も、対策を続けていくことが大切です。


最近は小児にも見られる…という事ですが、やはり皮脂の多い年齢からですね。乳児に脂漏性湿疹はあるのですが、さすがにマラセチア菌が原因になる、という話は聞いたことがありません。
治りにくいニキビがあれば、皮膚科に受診してしっかりと診断、治療を受けるようにして下さい。

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