黄砂(14/6/2更新)

[黄砂現象とは]
黄砂現象とは、東アジアの砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯から強風により大気中に舞い上がった土壌・鉱物粒子偏西風にのって浮遊しつつ降下する現象を指します。日本における黄砂現象は、春に観測されることが多く、時には空が黄褐色に煙ることがあります。
風によって大気中に舞い上げられた黄砂は、発生源地域周辺の農業生産や生活環境にしばしば重大な被害を与えるばかりでなく、大気中に浮遊し、黄砂粒子を核とした雲の発生・降水過程を通して地球全体の気候に影響を及ぼしています。
また、海洋へも降下して、海洋表層のプランクトンへのミネラル分の供給を通して海洋の生態系にも大きな影響を与えていると考えられていますが、その量についてはまだ明確にはなっていません。
黄砂現象は従来、自然現象であると理解されてきましたが、近年ではその頻度と被害が甚大化しており、急速に広がりつつある過放牧や農地転換による土地の劣化等との関連性も指摘されています。そのため、黄砂は単なる自然現象から、森林減少、土地の劣化、砂漠化といった人為的影響による側面も持った環境問題として認識が高まっています。

[飛散時期]
日本には2〜5月に主に飛来し、ピークは平均4月です。秋にもたまに飛来することがあります。

[黄砂粒子の内容]
黄砂粒子には、石英や長石などの造岩鉱物や、雲母、カオリナイト、緑泥石などの粘土鉱物が多く含まれています。日本まで到達する黄砂の粒径の分布は、直径4ミクロン付近にピークを持ちます。黄砂粒子の分析からは、土壌起源ではないと考えられるアンモニウムイオン、硫酸イオン、硝酸イオンなども検出され、輸送途中で人為起源の大気汚染物質を取り込んでいる可能性も示唆されています。 黄砂の色は、クレヨンの黄土色と同じです。指でさわると、壁土みたいでちょっと粘っこい感じがします。洋服や自動車につくと簡単には落ちません。スギ花粉が、20μmですから、マスクで防ぐのが難しい花粉よりもさらに小さい粒子だということです。

[黄砂の人体への影響]
黄砂アレルギーとよく呼ばれていますが、実は、黄砂がアレルギーを引き起こすという研究結果は出ていません。黄砂は、蛋白質や金属ではないので、アレルギーを起こすアレルゲンにはなりません。黄砂によって、アレルギーが引き起こされるのではなく、黄砂によってアレルギーが悪化すると考える方が良いかと思います。
以下のような症状はでます。
・咳・鼻水・くしゃみ
・気管支喘息・花粉症の悪化
・時に発熱
・肺炎、気管支炎の発症および増悪の可能性
・アレルギー性結膜炎の悪化:目のかゆみ・充血
・皮膚のかゆみ、湿疹
・接触性皮膚炎の発症、アトピーの悪化

[黄砂への対策]
マスクによって、少しでも黄砂を吸い込まないよう予防するこトですが、日本へ届く黄砂の粒子は花粉より更に一回り小さいサイズが多いので次のようなマスクが必要になります。
・粒子系が数μmまでの細かい粉塵も防ぐ
・風によって地上からも舞い上がるので、アゴのところまですっぽり覆うことができる
・静電気を発しにくい(少しでもマスク表面に付着させない)
また、衣服も花粉と同じように静電気を発しにくいものを選ぶことも大切ですし、帰宅時には体の表面についたホコリもしっかり落としてから屋内に入るようにしてください。

[2014年の黄砂飛散について]
5月26日は、福岡と下関、佐賀、長崎、大分の各気象台で黄砂を観測。今年の1月21日に松江で観測して以来、約4か月ぶりの黄砂飛来です。5月までの平年の黄砂観測日数は23日。ところが、今年はまだ3日。1967年の統計開始以来最も少なくなっています。1967年からの統計開始以来、年間の黄砂飛来日数が最も少なかったのは、1986年の5日。今年は本日(5月26日)を入れて3日で、過去最も少ないペースです。黄砂飛来日数がピークを迎える3月と4月に全く観測されなかったのは、統計開始以来初めてのことだということです。例年、6月に入ると黄砂の飛来は激減するため、一年を通しても極端に黄砂の少ない異例な年になるかもしれません。 極端に黄砂飛来が少ないのは、モンゴルなど大陸の乾燥地域で砂嵐が例年より少ないのも一因のようです。

黄砂は50年ほど前から、中国大陸からはるばる風に乗って日本に飛来してきたものだと認識されていたようですが、それがひどくなっていろいろ話題に上がるようになったのは、平成になってからのようです。ここ10〜15年は、中国の近代化、フロンガスによるオゾン層破壊、二酸化炭素増加、温暖化と連動しているのは事実のようですね。
黄砂はpm2.5を運んできます。
人間の進化はそれに伴って環境の破壊も進めています。ダイオキシン、プルトニウム…人類の作り出してしまった最悪の物質。現段階でははっきりとした健康被害は明らかになっていないものばかりです。プルトニウムはたまっていく一方…。100年後辺りの地球はどうなっているでしょうか?
喫煙者は減っていますが、個人的には煙草の方がもっと有害で直接的な被害を蒙っているようです…。

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