ジェネリック(後発医薬品)(13/7/22更新)

[ジェネリック医薬品とは]

医薬品の有効成分そのものに対する特許である物質特許が切れた医薬品を、他の製薬会社が後発して製造或は供給した後発医薬品です。新薬と同じ主成分の薬ですが作用も新薬と常に同じとは限らないといわれています。同じ有効成分の医薬品でも後発医薬品は複数存在し、その商品名は会社によって異なります。医薬品の有効成分は一般名 (generic name)で表せるので、欧米では後発医薬品を処方するのに一般名を用いることが多く、そのため後発医薬品に対してジェネリック医薬品という言葉が使われるようになりました。後発医薬品に対して最初に開発された医薬品は先発医薬品または先薬と呼ばれます。

[先発医薬品との違い]
先薬(先発医薬品)の開発には、9年〜17年程度の長い期間と数百億円もの投資が必要といわれており、研究開発にかかるコストが薬の価格にも反映されています。一方、ジェネリック医薬品の場合、有効性や安全性が既に確認されている先発医薬品の有効成分を利用するため、開発期間や経費を大幅に抑えることができます。そのため、薬の価格を安く設定することができます。
先発医薬品とジェネリック医薬品とでは、薬の色や味などが違う場合があります。これは以下の理由に寄ります。
特許が切れたのは物質特許であり、薬の本体です。つまり、有効成分そのものです。薬の特許には物質特許以外にも「製法特許」や「製造特許」が存在します。製法特許が切れていなかったら同じような添加物を加えることができません。添加物が変われば薬がどのように溶けていくか、どれくらいの速度で吸収されていくかが変わってしまいます。もし、製造特許が切れていなかったら同じ剤形を用いることができません。例え同じ錠剤だとしても、コーティングの仕方や内部構造などで少し違いが出てきます。
薬の添加物や剤形が変わると、例えば薬の溶け出す速度が変化したり、有効成分が分解されやすくなったりします。それは、「薬の効きすぎ」や「効果が出にくい」という結果になります。

[薬の効果]
後発医薬品では、有効性・安全性については既に先発医薬品で確認されていることから、安定性試験・生物学的同等性試験等を実施して基準をクリアすれば製造承認がなされます。生物学的同等性試験とは先発品と後発品の生物学的利用能を比較評価することにより行われ、投与者の生物学的利用能に統計的に差がなければ効果も同じで生物学的に同等であるものと判断されます。統計学的には±20%の範囲であれば差がないと判断されます。つまり、先発品と比べて20%だけ多く効果があったり、その逆に効果が少なかったりしても「有効性は同じである」と判断されます。 これもまた、薬の効きすぎや薬の効果が出にくいという結果となってしまいます。
また、ジェネリック医薬品の試験に「有効性の試験」は存在しても「安全性の試験」はありません。そのため、安全性のデータが存在しません。ジェネリック医薬品は先発品と比べ、その製品に対する情報量が極端に少ないです。
従って命に関わるような疾患で処方される薬であれば、ジェネリック医薬品はかなり慎重に服用する必要があると思われます。


とはいえ、最近はジェネリック医薬品の各メーカーは、いろいろと味や溶け方等の工夫をしているところが多くなりました。昔から作られている抗生物質やいわゆる風邪薬、胃腸炎の薬、消炎鎮痛剤等は、まず有効性・安全性の問題はありm無いでしょう。非常に苦くて飲みにくい抗生物質も、沢山の薬の味をみて、一番飲みやすかったのがジェネリック医薬品であったりするので、採用して使っています。体重当たりで服用すべき薬剤料が少ない、というのもポイントの一つです。血圧を下げる薬も、最近は厚生労働省が、ジェネリック医薬品の使用促進を強く訴えているのでよく使用するようになりました。
とにかく薬代が安くなりますので、特別な薬以外はジェネリック医薬品を使うのも良いのかもです。

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