ドライアイ(12/12/10更新)

[ドライアイとは]
涙はまばたきによって網目状の薄い膜となり、いつも眼の表面を覆って乾燥あるいはゴミや細菌などから眼を守っています。涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。ドライアイになると涙液が正常ではなくなるために眼の表面を十分に保護できなくなり、眼が乾き、目が疲れやすくなったりします。

[原因]
(1)年齢
年を重ねると、涙の分泌量や質が低下します。
(2)性別
女性の方が男性よりドライアイになりやすいことが知られています。
(3)過度のVDT(visual display terminals)作業
パソコンなど、モニターを見つめる作業を長時間行うことで、ドライアイ症状が起こりやすくなります。
(4)乾燥した環境
冬の乾燥した季節でドライアイが悪化する人は数多くみられます。また、エアコンの吹き出し口に当たるところなどでも症状が悪化します。
(5)コンタクトレンズ
特にソフトコンタクトレンズ装用者では、ドライアイの割合が多いことが知られています。
(6)喫煙
たばこの煙に曝されると、涙の状態が悪くなることが知られています。
(7)内服薬
血圧を下げる薬や精神疾患薬など「抗コリン作用」を持つ薬では、涙の分泌量が減少することがあります。
(8)点眼薬
点眼薬の中には、涙の安定性を低下させ、また角膜に障害を与えやすくなる成分が含まれていることがあります。ドライアイでは、点眼薬の中に含まれる防腐剤などによる障害も起こりやすくなります。
(9)全身の病気に伴うもの
シェーグレン症候群という、涙腺、唾液腺に対する自己免疫疾患では、強いドライアイを生じることがしばしばみられます。

4大要因としては、パソコン、エアコン、コンタクトレンズ、ストレスとされています。

[症状]
目の乾き、眼が疲れる(眼精疲労)、眼が痛い、目の充血、目の痙攣、10秒以上目が開けられない、理由もなく涙が出る 。
ドライアイの症状がひどくなると角膜や結膜に障害が起こってきます。

[治療]
ドライアイには、眼科の専門的な治療が効果的です。 おもな治療には点眼液によるものと涙点閉鎖による治療があります。
(1)点眼液
涙に近い成分の人工涙液を点眼する。
ヒアルロン酸が主成分の目薬を点眼する。
コンタクトレンズを装着している場合は、コンタクトレンズ用の目薬を使用する。
(2)涙点閉鎖
涙の出口である涙点に栓(涙点プラグ)をして、涙の生理的な排出を人為的に遮断するような治療を行うこともあります。プラグの大きさや材質など、いろいろなものが開発されています。

[予防]
普段の生活に少し気をつければ眼の乾きを軽くすることができます。
○ワープロ、コンピューター作業は休憩が必要 リラックスを心掛け、眼が疲れたら休ませましょう。
○なるべく上をみない
  テレビやワープロの画面は、眼より下方に置くようにしましょう。
○見やすい環境を作る
  机は直射日光を避けて、ワープロなどの画面は照明が反射しない場所に置きましょう。
  照明が反射している画   面は眼が疲れます。
○部屋の湿度を保つ
  加湿器やぬれタオルを干すなどして保湿に注意しましょう。 冷暖房の効いている部屋は眼が乾きやすいです。

子どもさんは、はっきりとした症状を訴えることが少ないかもわかりません。瞬きが多い、というのが症状の始まりかもわかりません。無意識に涙の分泌を多くしようとしているのかもわかりません。ゲームの時間やテレビを見る時間が長くないか注意してください。軽い症状はやがておさまることもあります。症状が強かったりいつまでも長びくようなら眼の表面が傷ついていることが考えられるため、眼科を受診したほうが良いでしょう。

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