乳糖不耐症(12/6/25更新)

[乳糖不耐症とは]
ミルクや牛乳に含まれる糖質=乳糖は、酵素によってブドウ糖とガラクトースに分解されて、初めて体に吸収されます。この乳糖を分解できず、赤ちゃんが下痢をしてしまうのが乳糖不耐症。おっぱいを飲み始めて、すぐにすっぱいにおいのする水っぽい便を頻繁にする先天的なものと、細菌が原因の下痢が長引いて起こる後天的なものとがあります。

[原因]
先天的なものは、腸の中のラクターゼという乳糖分解酵素が生まれつき欠けているため起こります。放っておくと脱水症状や発育障害を起こす原因になります。
後天的なものは、ウイルスや細菌による急性胃腸炎で腸の粘膜がただれたり破れたりして、ミルクや牛乳に含まれる乳糖を消化吸収する酵素が出なくなってしまうというものです。乳糖不耐症のほとんどはこの後天的なもの、急性胃腸炎のあとなどに起こる二次的な乳糖不耐症です。

[症状]
母乳を飲むと腹部が張ってごろごろいい、酸っぽいにおいのする水っぽい下痢をします。急性胃腸炎は治ったはずなのに、いつまでも下痢っぽいうんちが続く、離乳食を食べているのにかたまったうんちがぜんぜん出ないという状態になります。

[治療]
乳製品の使用をしばらくやめれば、特別な治療をしなくても自然に治ります。が、離乳が完了していない場合は、出なくなっている消化酵素(ラクターゼ)の粉薬をミルクなどに混ぜて飲ませます。また、 乳糖を含まない特殊なミルクに切りかえるという方法もあります。味が変わって嫌がるお子さんもあるかもわかりませんが…。母乳の場合は、消化酵素(ラクターゼ)の粉薬をおっぱを飲む前に服用させます。

小さいお子さんは一度下痢になるとなかなか治らない状態になってしまうことは非常によくあることです。いろいろ薬を調整しても治らず、母乳のお子さんは薬の服用も難しかったりするのですが、消化酵素の服用で少し良くなることはありますのでご相談下さい。

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