GOT・GPT(12/4/16更新)

[GOT・GPTとは]
GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)とGPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)は、本来肝臓の細胞の中にある酵素です。GOTはアスパラギン酸アミノ基転移酵素(Aspartate Amino Transferase,AST)、 GPTはアラニントランスアミナーゼ(Alanine transaminase, ALT)とも言われています。
GOTは、筋肉中に最も多く存在し、その次に肝臓に多く存在する酵素です。従って、激しい運動や心筋梗塞の後でも上昇します。赤血球中にもあるので、溶血時にも上昇します。採血時の溶血も影響されることがあります。
GPTは、肝臓に最も多く、この値が上昇しているときは肝機能の障害が強く疑われます。

[検査の目的]
GOTとGPTはともに肝臓に多く含まれるアミノ酸を作る酵素で、肝細胞が破壊されると血液中に漏れ、数値は高くなります。肝炎や脂肪肝、肝臓がんなど、主に肝臓病を発見する手ががりとなります。 
・炎症が収まっていても、肝臓自体の病変はすでに進行している場合があります。この時は、GOT、GPTが正常でも油断できません。
・逆に、炎症が激しくても、肝臓自体の機能には余裕がある場合があります。この時は、GOT、GPTが高くても過剰に心配することはありません。
・従って、この検査は重要ではありますが、これだけで肝臓病の重さは判断できません。

[基準値]
GOT:10-35 U/L
GPT:5-40 U/L
乳幼児から思春期まではやや高目で、男性は女性より高目です。お酒を飲んだり運動をした後は値が50U/Lくらいまで上昇することもあります。また、体重増加やステロイド剤服用でも上昇します。

[高値の時に疑われる疾患]
◆GOTが高い場合
  ・心筋梗塞
  ・肝炎
  ・肝硬変
  ・筋ジストロフィー
◆GPTが高い場合
  ・肝炎
  ・脂肪肝
◆GOTとGPTがともに高い場合
  ◇GOT・GPTともに非常に多い
   →ピーク時には数千単位
   ・急性肝炎
  ◇GOTがGPTより高い
   ・肝硬変、肝臓がん
  ◇GPTがGOTより高い
   ・慢性肝炎、脂肪肝

肝機能検査はGOT・GPTだけではなく他にもいろいろな項目がありますので、それらも合わせて判定しています。小さいお子さんは熱があって採血をした際に、GOT・GPTが高くなっていることは結構経験します。一時的な事である場合が多いようです。

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