しゃっくり(11/11/21更新)

[しゃっくりとは]
しゃっくりとは、横隔膜のけいれんによって起こる症状です。横隔膜とは胸とおなかを隔てる筋肉のことです。横隔膜が不随意にけいれんすると、胸空内圧が低下し、空気が急速に吸い込まれて、同時に声門(吸気時に声帯が弛緩して緩むことでできるすきまのことで、空気の通り道)がすばやく閉じるので、吸気の流れが妨げられ、そのときに出る音がしゃっくりです。正式には「横隔膜けいれん」といいます。

[原因]
広く知られているものでは、辛いものやお酒を飲んだときに起きやすいと言われています。香辛料やアルコールによって横隔膜に連動する周囲の筋肉が刺激されることが大きな要因となるようです。他にも大笑いした後や咽喉に何か詰まったことがきっかけになることがあります。少数ですが、より重大な原因として、肺炎や胸部・胃の手術による横隔膜の炎症、腎不全で老廃物がたまることによる血液中の有害物質の増加があります。まれに、脳腫瘍や脳卒中によって脳の呼吸中枢が障害され、しゃっくりが起こることがあります。この場合は止まりにくいようです。
しかし、日常生活の中で普段経験しているしゃっくりのほとんどは実際はっきりとした原因は不明です。上で説明している原因はあくまで原因の分かったしゃっくりについてのものであって、全てに当てはまるというわけではないようです。まだ解明されていない原因はあるでしょう。

[新生児のしゃっくり]
まだお母さんのお腹の中に居る状態、すなわち胎児の時期からしゃっくりは始まっていると言われています。お腹の中に居るときは胎児は羊水の中に居るわけですが、羊水の中にゴミや小さな固形物が流れてきて胎児の鼻やのどに詰まっても出せるようにしゃっくりが起こります。生まれてすぐの新生児の赤ちゃんが一日に何回もしゃっくりをするのはこの名残からと言われています。
小さい赤ちゃんの間は体が小さく内臓と内臓もより密接しているため、食べたり笑ったりした時の横隔膜への刺激も大人より大きく働きます。これも赤ちゃんにしゃっくりが多い原因のひとつです。またオムツが濡れている時にもしゃっくりが起こりやすいと言われています。
大人と違って赤ちゃんに対して無理矢理しゃっくりを止める方法を実践することは出来ません。しゃっくりで呼吸が苦しそうに見えても基本的には放っておいても大丈夫です。そういう時はオムツが濡れているか確認し、濡れていたら替えてあげると良いでしょう。

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