[ネフローゼ症候群とは] ネフローゼ症候群は、ごく少量のタンパク質が尿中に漏れ出る状態(微量アルブミン尿症)が徐々に進行して発症したり、あるいは突然発症する場合もあります。ネフローゼ症候群は年齢にかかわりなく起こりますが8割の患者が発症年齢6歳未満で、小児に多い病気です。小児では生後18カ月から4歳の間が最も多く、女児より男児に多くみられます。年齢が高くなると、男女の差はほとんどなくなります。 尿にタンパク質が漏れ出るのに伴って(タンパク尿)、アルブミンなど血液中の重要なタンパク質の濃度が低下し、血液中の脂肪(脂質)が増え、血液が固まりやすくなり、感染症にかかりやすくなります。血液中のアルブミン濃度が低下すると、普通は体液が存在しない部分に浮腫が起こり、過度のナトリウム貯留が生じます。 [原因] なぜ蛋白尿が出るのか、原因となる疾患があるのものを二次性ネフローゼ症候群、原因不明のものを特発性(一次性)ネフローゼ症候群と分類します。殆どのネフローゼ症候群の70〜80%は特発性にあたります。二次性のネフローゼ症候群は蛋白尿の原因となる腎臓疾患が特定できるもので小児は紫斑病勢腎炎が多く、成人は糖尿病性腎症やループス腎炎が多いです。 小児のネフローゼ症候群の患者の大半が、原因の分からない特発性のものです。 [症状] 量の蛋白尿が出る結果、低蛋白血症によるむくみが見られます。眼瞼・下肢脛骨前面のむくみ、腹水によるお腹のはれが見られます。全身にむくみがでると、肺に水がたまり(胸水)呼吸が苦しくなります。下痢、食欲低下、腹痛も見られます。症状が進行していくと腎不全になる場合があり、高脂血症を合併することもあります。各ネフーゼの症状や特徴を以下に示します。
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