裂肛(切れ痔)(10/8/2更新)

[裂肛とは]
赤ちゃんで、離乳食がすすんできた生後7ヶ月頃から、肛門の前側(時計でいうと12時の方向)に痛そうなできものが出来ます。便に血が付いていたりします。男の子にもおこりますが、ほとんどが女の子です。女の子は男の子に比べて便秘傾向が強いようです。離乳食の確立する7ヶ月頃から4歳までにみられます。

[症状]
肛門を左右に開いて痛そうなできものを開くと、肛門が切れているのが見えます。肛門の12時方向、ついで6時方向にみられます。これが痔です。痔は痔でも、いぼ痔ではなく切れ痔です。

[原因]
もともとの原因は便秘です。便秘で便が硬いため、肛門が切れ(これを切れ痔、正式には裂肛といいます)、その刺激で切れ痔のまわりの皮膚がはれてきます(これを見張りいぼ、といいます)。便秘→硬便→裂肛形成→排便時の痛み→便をこらえる→さらに便秘、というサイクルでどんどんひどくなります。3cmほどの巨大な腫瘤ができる場合もあります。

[治療]
痔の軟膏に加えて、便秘の治療が必要です。下剤で毎日きちんと軟らかい便が出るよう排便のコントロールをしなければなりません。軟便になって刺激がなくなれば、見張りいぼは消失します。痔の軟膏と便秘の治療でこの病気は必ず治ります。手術すべき病気ではありません。治療が効くと裂肛は早めに治りますが、いぼが小さくなるにはしばらくかかります。便秘はずっと続きます。便が硬くなるとまた切れて再発します。ということで、こういうお子さんは、裂肛が治った後も、便秘の治療を続けています。

copyright(c) 2004 Yamauchi Clinic. all right reseaved.