口蹄疫(10/5/24更新)

[口蹄疫とは]
家畜の伝染病のひとつ。偶蹄目(豚、牛、水牛、山羊、羊、鹿、猪、カモシカ、など蹄が二つに割れている動物)およびハリネズミ、ゾウなどが感染するウイルス性の急性伝染病。

[症状]
口蹄疫に感染すると、発熱したり、口の中や蹄の付け根などに水ぶくれができたりするなどの症状がみられます。口蹄疫にかかると、子牛や子豚では死亡することもありますが、成長した家畜では死亡率が数%程度といわれています。しかし、偶蹄類動物に対するウイルスの伝播力が非常に強いので、他の偶蹄類動物へうつさないようにするための措置が必要です。

[人への感染]
牛肉や豚肉を食べたり、牛乳を飲んだりしても口蹄疫にかかることはありません。他の偶蹄類動物にうつさないようにするため、口蹄疫が発生した農場の家畜は殺処分して埋却する(埋める)とともに、発生した農場周辺の牛や豚の移動を制限しています。このため口蹄疫にかかった家畜の肉や乳が市場に出回ることはありません。

[感染対策]
人にはうつりませんが、ウイルスが靴などに付着し、他の家畜へ運ばれて、感染を起こす可能性があります。
口蹄疫ウイルスの偶蹄類動物に対する伝播力が非常に強いため、他の偶蹄類動物へうつさないようにするために、現時点で次のような取組を行っています。

1. 口蹄疫が発生した農場の家畜を殺処分して埋却し、農場を消毒
2. 口蹄疫が発生した農場周辺の牛や豚の移動を制限
発生農場から半径10km以内における移動制限(生きた偶蹄類の家畜やその死体等の移動を禁止、と畜場及び家畜市場の閉鎖等)
発生農場から半径10〜20km以内における搬出制限(生きた偶蹄類の家畜の搬出、制限区域外への移動禁止、と畜用以外の家畜を入場させる家畜市場の開催を中止等)
3. 県内全域へ消毒薬を配布し、散布
4. 移動制限区域内に出入りする車両を消毒するための消毒ポイントを設置し、消毒を実施
5. 発生農場と人や物などの関連(疫学関連)があった農場の確認
6. 他の都道府県における牛豚飼養農場の緊急調査を実施(これまで宮崎県以外での口蹄疫の発生は確認されていません)
7. 移動制限区域内のワクチン接種による感染拡大防止

[発生状況]
(1)
国内:明治41年(1908年) 東京、神奈川、兵庫、新潟522頭
    平成12年(2000年) 宮崎(3〜4月:3戸), 北海道(5月:1戸) 患畜・疑似患畜740頭[92年振りの発生]
*)日本は平成12年9月27日に清浄国に復帰。
(2)
海外:オセアニアと北米以外の世界中で発生が見られる。

口蹄疫の発生状況

10年前に口蹄疫が発生した時のことがあまり記憶に残っていないので、おそらく短期間のうちに感染が広がらずに清浄化した模様です。今回は最初の患畜の発症の確認に時間がかかった事と、その後の対応の遅れの為に、多市町村の多数の農家で発症し、殺処分の対象となっている患畜は11万頭以上に上っています。宮崎牛の種牛にまで感染が確認され、畜産関係者の方々の苦悩は計り知れません。

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