成長痛(09/11/24更新)

[成長痛とは?]
小児期の、特に夜間に起こる原因不明の下肢の痛みに対してこの病名が用いられます。朝になるとケロッとしており、検査をしても原因が見つかりません。子供は筋肉や骨・関節が未完成なのに、非常に活発に動きます。そのため疲れがたまって痛みの原因となると考えられています。成長痛という名前が誤解を招きやすいのですが、骨の成長とは無関係です。

[症状]
膝の裏側、太股、ふくらはぎ、足首などを痛がります。どこが痛いのかはっきりしない場合もあります。日中、痛みもなく、元気に走り回っている子どもが、夕方から夜になると特に膝周辺の痛みを約30分〜1時間程度訴え、大声で泣くぐらい痛がる時もあります。ところが、翌朝になるとケロッとして、元気に走り回っているのが特徴です。また、痛みの部位が変わったり、痛みの部位を忘れたりする事もあります。しかし、関節が動きにくかったり、腫れたり、熱をもったりすることはありません。
好発年齢は、2〜7歳の子どもに多く、男児では5歳、女児では4歳にピークがあります。

[原因]
まだ、はっきりした事はわかりませんが、情緒面で不安定な、又、活動性が非常に高いこの時期において、子どもたちの単なる疲労が、特に神経質な子どもの場合には精神的な面でさらに増幅され、激しい痛みとして表現されると考えられます。

[治療]
子供の成長とともに治りますので、基本的にはほおっておいてもかまいませんが、成長痛は昼間の遊び疲れに加えて、親や周囲の人からかまってもらいたい気持ちの表現とも言われています。家庭環境の変化(弟ができた、母親が仕事を始めた)があるような時などは特にそうです。ですから、子供の訴えを無視せずに、積極的にスキンシップをはかる事も大切なことです。湿布をしたり、暖めたり、マッサージをするなどは自由にしてかまいません。


  足の痛みを訴える原因は成長痛ばかりではありません。昼間も痛がったり、歩き方がおかしい場合、次第に痛みが強くなるような時には、一度は医療機関を受診し、適切な指示を受けるようにして下さい。
もし、長期に痛みが続くようであれば、いろいろな病気と鑑別するために、必要に応じてX線検査、血液検査などを行わなければなりませんので、小児科かかりつけ医に相談するか、整形外科を受診して下さい。

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