舌小帯と上唇小帯(09/11/9更新)

[舌小帯とは?]
舌小帯というのは、舌の裏側にある舌を支える筋のことです。

[舌癒着症(舌小帯短縮症)]
日本人は他の民族に比べ、舌小帯はもともと短いほうなのでほとんど問題はないのですが、母乳指導をされる方の中には「飲み方が悪いのは舌小帯が短いせい。舌小帯を切れば飲みはよくなる」とよく言っている方々がいます。乳幼児のときに言われても今はほとんど切離適応とは言われていません。

[症状と処置]
まれに哺乳と関係するくらい、極端に乳児で短い、哺乳もへた。耳鼻科医や小児科医、口腔外科医が見ても舌が口の底にくっついていて哺乳に邪魔になりうるくらい短い場合は、外来でその部のみを切離することで哺乳がよくなる乳幼児もいます。
が、全員が全員でなく、これは耳鼻科あるいは口腔外科、小児科の先生の判断です。後確かにそういう極端に短く、哺乳と関係する場合は、外来でその部を、せん刃で切離するだけで、哺乳はよくなる場合もあります。ただ全員適応ではありません。全員くらい進める桶谷式というものもありますが、一般ではありません。
乳幼児には今は昔ほど『絶対に手術的治療中心』にされなくなり、4、5歳くらいまでに治る場合が多いので待ってもいいと言う意見が主流です。

[手術適応]
4、5歳くらいになっても舌の挙上が出来ず、上顎の切歯まで到達できなかったり下顎の切歯より前に提出できない場合は『構音障害になる』。このころなら手術適応になる場合が多いです。でもまれです。
1)極端な舌小帯短縮であきらかに哺乳がへたな乳児の外来での切離
2)4、5歳まで待って発音によっておかしい(それもよほど短いために)という例だけ。

[上唇小帯とは?]
上くちびると歯ぐきとをつないでいる「すじ」です。2歳未満ではこの小帯が太く、歯ぐきの頂上から上の前歯の間に割り込むようにまわりこんでいる場合が多く、これは正常です。

[上唇小帯短縮症]
よほど極端なものでなければ心配なく、乳幼児期に切除する必要はありません。年齢と共に付着位置が歯ぐきの頂上から降りてくるのが普通です。

[症状と処置]
歯と歯の間に隙間が出来るので、早めに切除すべきと言う意見がありますが、永久歯の歯並びに影響するかどうか判断しなければいけない、6〜7歳まで待ってもいいです。ただし、このようになっていると、歯の際に汚れもたまりやすく、歯磨きをするのにかなり邪魔になるので、ていねいに磨くようにしなければ、すぐにむし歯になってしまいます。磨く時は、右と左に分けて1本づつ磨くようにして下さい。口唇の動きや発音に影響することはまずありません。
永久歯が生える前のお子さんについては、ほとんどの場合上唇小帯の切除は必要がなく、経過をみるだけで良いということを知っておいてください。

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