口腔アレルギー症候群(09/6/29更新)

[症状]
果物や野菜を口にしたあと、15〜30分ほどで症状があらわれます。始めはくちびるのかゆみや腫れ、口周囲のじんましんや口の中の違和感などを訴えますが、腹痛、嘔吐(おうと)、下痢などの消化器症状や、せき、鼻汁、たんのからみなどの症状が出ることもあります。重症になると、全身のじんましんやぜんそく発作がおこったり、のどが塞がって呼吸困難になるなど、生命にかかわることもありえるので注意が必要です。原因となる食べ物が口腔粘膜に直接接触することで生じるアレルギー反応と考えられています。

[原因]
バラ科の果物(リンゴ、モモ、ナシ、イチゴ、サクランボ)、ウリ科の植物(メロン、スイカ)、バナナ、ジャガイモなどがあります。これらの原因食品は花粉症の原因花粉類と交差抗原性(こうさこうげんせい)(アレルギーの原因となる物質が共通して含まれていること)があることが知られており、そのために花粉症の患者さんで症状がみられることが多いと考えられています。共通抗原(原因物質)があるとされていますが、花粉症があれば必ず食べ物アレルギーが在る訳ではありません。逆もあります。花粉症で最も多いのはスギ花粉によるものですが、この病気はスギ花粉症の人には比較的少ないです。スギ花粉に似たタンパク構造の食物が少ないためです。
なお、果物のアレルギーがある人の場合、ゴム(ラテックス)にもアレルギーを起こす場合があり、職業上ゴム手袋を用いる場合などでは注意が必要と考えられます。
小児では、多食することで、果物にアレルギーを起こす可能性が考えられています。

[予防・治療]
口腔アレルギー症候群は1990年代ころから報告が増えはじめ、近年増加しています。まだ未解明のことも多く、効果的な予防・治療はまだ確立していません。現状では、原因が明らかな果物や野菜は控えること、もしも食べる場合は加熱調理すること、また口にして違和感を感じたときはすぐに出してうがいをし、その食物は食べないように心がけましょう。
とくに花粉症の人では注意が必要で、異常があった果物や野菜の仲間は頭に入れておくことが望まれます。例えばリンゴを食べて反応があった人は、同じバラ科のモモやナシ、サクランボなどでも反応を認めることがあります。これらの果物はデザートやサラダ、生菓子、生ジュースなどによく用いられますから、外食時には注意してください。


  この疾患は私も20年前の開業当時は知りませんでした。小学校3〜4年くらいのお子さんで、そういう訴えの方がありましたが、あまり聞いたことありませんね〜とか、答えていました。ここ10年くらい前から注目されだしたようですね。殆どが軽症ですむので心配要らないようですが、症状の起きる食べ物は食べないようにしてください。

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