包茎(08/12/15更新)

  おちんちんの亀頭(きとう)部分が包皮(ほうひ)(おちんちんを包んでいる皮膚)でおおわれたままになっているものを包茎といいます。手で包皮をむく(亀頭に沿ってひっぱる)と、亀頭の一部でも露出する場合は仮性(かせい)包茎で心配ありません。

[発達のしかた]
胎児のころは、包皮内板(包皮の内側部分)と亀頭はもともとくっついていて、包皮は亀頭を保護する役割を果たしていると考えられます。したがって乳幼児にみられる包茎のほとんどは生理的包茎で、幼児、学童と成長するにつれ徐々にむけていきます。新生児では96%が手を使ってもむけない包茎の状態ですが、乳幼児のころには包茎と思われても徐々にむけていきます。1歳で50%、3歳で70〜90%、17歳では99%包皮がむけて心配ない状態になるといわれています。

[症状]
通常、症状はありませんが、以下のような症状がみられることがあります。
1)
包皮口が狭いために排尿が難しい
尿が包皮内にたまり、風船状にふくらんで、おしっこが出にくいため、膀胱や腎臓を傷めてしまうおそれがあります。おしっこが勢いよく線を描き、腹圧を加えずにスムーズに出ているかどうか注意し、スムーズに出せていないようなら医師に相談してください。
2)
亀頭包皮炎(きとうほうひえん)を繰り返す
包皮と亀頭の間にたまった恥垢(ちこう)に細菌が増殖して起こります。おちんちんの先が赤くはれて、うみが出たり、おしっこの時に痛がります。年に数回以上繰り返す時は手術の必要が考えられるので、医師に相談してください。包皮口が極端に狭くなく、年に2〜3回程度なら、ただちに手術はせず、抗生剤の外用と内服で処置し経過をみます。恥垢が包皮の下に白い塊として見える場合がありますが、何も症状がない時は様子をみるだけでかまいません。
3)
嵌頓(かんとん)包茎
普段はむけにくい包皮がたまたま何かの拍子にむけて、狭い包皮輪によって亀頭の頸部(けいぶ)が強く締めつけられ、もとの状態にもどらなくなってしまい、亀頭はむくみ、痛みを伴う状態をいいます。亀頭を包皮のなかに手でもどすことを試み、うまくいかない時は、ただちに小児科医または泌尿器科医の診察を受けてください。救急的に手術が必要になることがあります。

[診断]
診察の際、手で包皮をむいた時に亀頭がまったく露出しないものを真性(しんせい)包茎、一部でも露出する場合は仮性包茎と診断します。診断のための特別な検査は不要です。保健所の健診のときに心配な方は見てもらってください。亀頭包皮炎をおこさなければ、殆ど幼児期までは問題ありません。

[治療]
包茎以外の症状がない時は、放っておいても問題ないため思春期まで経過をみます。前述のような症状がある場合や、思春期を過ぎた真性包茎では、手術を行います。

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