Hibワクチン(09/4/20更新)

●Hibについて
[Hibとは]
ヘモフィルス属インフルエンザb型菌のことを略してヒブ(Hib)と呼びます。この菌が発見されたときには、冬にはやるインフルエンザの原因と誤って考えられたのでインフルエンザ菌という名前がついてしまいました。後になってインフルエンザの原因はこの菌ではなくウイルスだということがわかりましたが、現在まで名称は訂正にならず、ややこしさの原因になっています。ちなみに、ウイルスのインフルエンザのB型は、"B"と大文字で記載しますが、インフルエンザ菌のb型は "b"と小文字で記載します。したがってヒブも"HIB"ではなく、"Hib"と書きます。

[Hib感染症]
Hibは、子どもさんの鼻やのどにいることがありますが、そのままでは病気になりません。Hibが血液や肺の中に侵入すると、髄膜炎や敗血症・急性喉頭蓋炎などの深刻な病気をひき起こします。通常5歳以下の乳幼児がかかります。日本では毎年、5歳未満の人口10万人当たり少なくとも8.6〜8.9人(約600人)がHib感染による細菌性髄膜炎に罹患していると推定されています。Hibによる細菌性髄膜炎は予後が悪く、罹患児の5%が死亡し、25%に聴覚障害やてんかんなどの後遺症が生じます。さらに最近は、Hibの薬剤耐性化が急速に進み、Hib感染症がさらに難治化する傾向にあります。Hibは小児期に発症する細菌性髄膜炎の原因菌として昔から常に首位を占めています。Hib以外で細菌性髄膜炎の原因になる主な細菌としては、新生児では大腸菌とB群溶連菌、乳児期以降では肺炎球菌があげられます。

[Hibワクチン]
Hib感染による乳幼児の細菌性髄膜炎は、初期診断や治療が難しいため古くからワクチンの必要性が議論され、1980年代後半には欧米を中心に予防効果が高いHibワクチンが導入されました。米国では、このワクチンによる定期予防接種の導入により、Hib罹患率が100分の1にまで減少した実績を持ちます。さらに1998年、世界保健機関(WHO)がHibワクチンの乳児への定期接種を推奨する声明を出したことから、現在では世界100カ国以上で使用されるようになり、世界的に見ればHib感染症はまれな疾患となっています。アジアで未承認なのは日本、北朝鮮など数カ国だけとなっています。


●ワクチン接種について
[ワクチンの詳細]アクトヒブ
アクトヒブ(サノフィパスツール第一ワクチンが輸入)は、有効成分は破傷風トキソイド結合インフルエンザ菌b型多糖。 製造過程でウシ成分(フランス産ウシの肝臓及び肺由来成分、ヨーロッパ産ウシの乳由来成分、米国産ウシの血液及び心臓由来成分)を使っていますが、リスクベネフィットを評価し、承認されています。
日本は、BSE(牛海綿状脳症)発生国原産のウシに由来する成分を医薬品の原料として使用しないことと決めていますが、このワクチンは現時点ではその取り決めに反した原料を使用しています。しかし、欧州薬局法委員会からは医薬品製造に適している原料であることの証明書が発行されているそうで、本ワクチンによってTSE(伝達性海綿状脳症)が伝播する可能性は極めて低いと考えられています。ヒブワクチン接種によってTSEが伝播する理論上の危険性と、接種により得られる利点をご理解の上で接種していただきますようお願いいたします。

[接種費用]
1回7000円

[接種対象]
生後2ヶ月以上5歳未満
2ヶ月〜7ヶ月未満で開始・・・3回+1回(1年後)の合計4回
7ヶ月〜 1歳未満で開始・・・2回+1回(1年後)の合計3回
1歳以上で開始・・・・・・・・1回のみ
☆ DPTとの同時接種が可能です。 

●予約について(10/9/21更新)
来られる2、3日前に接種の連絡をして下さい。

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