過換気症候群(08/7/7更新)

[過換気症候群とは]
不安感や精神的なショックなどのストレス、それに疲労など、困難な状況に直面したときに呼吸が深く速くなり(過呼吸)、それにもかかわらず「息がうまく吸えない」「空気が入ってこない」など呼吸が苦しくなる感じにおちいり、心身にさまざまな症状を招くのが過換気症候群です。「過呼吸症候群」とも呼ばれており、パニック障害の一つに分類されます。

[発生機序]
呼吸を必要以上に行うと、呼気からの二酸化炭素の排出が必要量を超え、血中の二酸化炭素濃度が減少して血液がアルカリ性に傾きます。この状態は息苦しさを覚えることがあり、神経系や意識が酸欠状態として誤認した結果、さらに激しい呼吸を行ってしまい、より症状が強くなるという悪循環から引き起こされます。傾向として、男性よりも女性、しかも若い世代に多く見られますが、これが命にかかわることはありません。

[症状]
突然あるいは徐々に呼吸が苦しくなり、しだいに不安がつのり、両手の指や口の辺りがしびれた感覚に襲われます。胸苦しさや死の恐怖などを伴い、ひどい場合はテタニー症状と言って、指が痙攣したようになります。 また非常にまれですが、意識がモウロウとする場合もあり、この折りには激しい過呼吸の相と無呼吸の相が交互にくり返す状態になったりします。放置すると発作は数10分以上続きますが、決して死ぬことや後遺症を残す事はなく、どんなに強い発作でも、時間とともに必ず軽快していきます。過呼吸発作は、一生に一度しか出ない人もあれば、時期によって毎日頻発することもあります。

[治療]
発作が起こった緊急時には、小さめの紙袋を口に当てて反復呼吸させます。家庭や職場でこの処置を行うのは、同様な発作を繰り返し、すでに過換気症候群の診断が確定している場合に限ります。基本的には医療機関で診断後に行われます。
精神的な不安や肉体的過労が症状の出現と関連することが多いため、安静、休息とし、必要ならば抗不安薬を内服します。発作を繰り返す場合、安定期に心理療法、行動療法を行うとよいことがあります。

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