乳腺肥大(08/6/23更新)

[乳房肥大症とは?]
思春期に入る前に乳房の発達を認めるものをいいます。

[症状]
小学校低学年くらいの子から認められます。乳輪下に小指頭大〜拇指頭大くらいの、硬くて痛みを伴う硬結をふれます。通常は片側だけにおき、数ヶ月以内には消えていきます。その後もまた同じような変化を起こすことがあります(同じ方であることも、反対側であることもあります)。また、この乳腺腫大は女子に多いのですが、男子にもときどき見られます。こういった変化を繰り返しながら、ある時点から本格的な二次性徴としての乳房の変化が始まります。今の日本人女子の乳房変化のおきる年齢は、10.0±1.4歳です。

[原因]
まだ本格的な女性ホルモンの分泌が始まる前にも、ある程度の女性ホルモンと同様の作用を起こすホルモンが次第に分泌されているのが原因といわれています。

[鑑別診断]
思春期早発症:男性ホルモン、女性ホルモンの分泌による二次性徴の成熟が、早い年齢で起こってしまう病気です。
女子では、乳房が少しでもふくらんできた時が思春期の開始ですが、乳房の発育が7歳6カ月以前に起こってしまった時、思春期早発症の可能性が高いといえます。乳房発育だけがみられるときは、一時的な女性ホルモンの分泌によると考えられる乳房早期発育症との区別が必要です。思春期早発症では、高身長のほか、二次性徴が全て早く到来します。

[処置]
一時的な生理的反応であることを理解し、自然に治るのを待ちます。

  しこりが触れる・・・、と来院される方は非常に多いです。痛みを伴っているので来られますね。服がすれると痛い、という訴えが多いです。明らかに乳房が年齢に比して大きくなっている場合はホルモン異常を疑わなければなりませんが、まず何も問題はありません。男の子の場合は思春期に見られます。思春期に大量の性ステロイドホルモン(精巣(せいそう)からもエストロゲンが分泌される)が分泌されるので、男性の乳腺でも反応して肥大するのですね。乳癌では?!!と心配されて来られるのですが、悪性のものはまずありません。

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