泣き入りひきつけ(08/6/2更新)

[泣き入りひきつけとは?]
泣き入りひきつけとは、急に転倒したり、大騒ぎして怖がらせるようなことがあったときに、1〜2回くらい大きな声で息をはいたまま、長い泣き方をすることがあります。その際に息継ぎができずに唇が青くなります。体の筋肉がピクピクけいれんしたり、顎が小刻みに震えたりすることもあります。そして1分以内にまた普通の呼吸状態に戻ります。泣き入ったときに、息を止めてけいれんのようになることから「泣き入りひきつけ」と言われています。
生後6か月から2歳までのお子さんにみられます。5、6歳ころに自然に発作は起こらなくなります。毎日、1〜2回位ある子供もいれば、月にそれくらいしかおこさない子供もいます。頻度が多いほど悪いわけではなく、またてんかんや脳障害をおこすような心配もありません。

[原因]
小さなお子さんでは誰でも息をとめて顔色が青くなることがあります。これは特に心配することではありません。失神がなければそれ自体は異常ではありません。一般に脳波には異常はなく、予後は良好で成長と共に消失します。 脳の発達が未熟なため、刺激に対してうまく対応ができずに脳細胞が異常に興奮しけいれんをおこす。何かに驚いたり、痛かったして激しく泣いたり、突然の大きな不安がけいれんの原因となります。感情の起伏の激しい赤ちゃん、長く息を止めると失神をおこしやすい異常反射を有しているこどもにおこりやすいです。

[治療]
ほかにけいれんを起こす病気が隠れている可能性もあるので、きちんとした診断をうけましょう。憤怒けいれんと診断された場合は特に検査や治療の必要はありません。脳の未熟さが原因なので、5〜6歳になって脳が発達してくると自然に起こらなくなります。憤怒けいれんをたびたび起こすからといって「てんかん」に移行したり、脳に後遺症が残ったりすることはありません。
ひきつけを起こしやすい子でも、大泣きしたり、かんしゃくを起こしたりしたときに抱き上げて、気を紛らわすとひきつけなくてすむ場合もあります。

[対処法]
まず落ち着きましょう。ひきつけたときは揺さぶったりしないで様子を観察してください。衣服を緩めて呼吸が楽になるようにします。万が一吐いたりした場合の窒息を防ぐため、体全体を横に向けます。多くの場合は1〜2分以内におさまります。いつもと違う、けいれんが治まらないなどの時はかかりつけの医師の診察を受けましょう。
赤ちゃんが泣くことに対して恐怖心を抱き「泣かせてはいけない」と神経質になりがちです。泣かせまいとして赤ちゃんの言いなりになったりすると赤ちゃんはますます気ままになってしまいます。怒って泣き出したら、抱っこをするなどして落ちつかせて、気を紛らわせるといいでしょう。

  お母さん方は、この病気の説明をしっかり受けて、慌てないことが大切ですし、日常過度に神経質になって、泣かせまいとして、盲目的に子供の要求を受け入れてしまうような親子関係にならないように注意しましょう。

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