しもやけ(凍瘡)とあかぎれ(07/12/10更新)

しもやけ
[原因]
できやすい体質を持つ人が、比較的低温な冷たい環境に持続的にさらされる事によって発生するといわれています。また、季節の変わり目など、特に気温が4〜5℃、1日の温度差が10℃内外の晩秋から初冬と春先に多いともいわれています。しもやけの引き金は、湿気です。雪遊び、水遊びなどをして、ぬれたままにしていると、その水分の蒸発とともに手の表面の温度を冷やし、血行を悪くし、これによってしもやけになります。しもやけとは、皮膚表面の静脈がうっ血し、十分な酸素や栄養分が皮膚の細胞に届かず、組織が破壊された状態です。できやすい場所は露出部を中心に手や足の末端、鼻先、耳などです。
新陳代謝の盛んな子どもに多く、男性では20才頃、女性は30才頃からできにくくなります。

[症状]
体の露出した部分で両側に対称的にできることが多く、手や足、耳、頬などが赤くなり、次第に腫れてきて、進行すると水ほう(水ぶくれ)、びらん、潰瘍などができる事もあります。皮膚科的には、たる柿のように全体が赤くなる型(たる柿型)と皮膚面から扁平に高まった発疹(多型滲出性紅斑型)との2つの型があって、前者は子供に後者は大人に多いとされています。
症状は痛みが多いようですが暖まると掻痒(かゆみ)を訴えるようになります。が、小さいお子さんはあまり痒がらないようです。

[予防]
外出するときには手足や耳を寒さから守ることが必要です。特に耳あて、手袋、靴下、靴などが暖かく、局所の血行を妨げさせないものを身につけて予防に努めて下さい。また、湿気を避ける事も予防になります。靴下が湿ったら取り替え、手足がぬれたら乾いたタオルでよく拭き取るなど冷やさない習慣をつけることも必要です。入浴時には手足をよくマッサージする様にしましょう。

[治療]
凍瘡軟膏(ビタミンE含有など)の外用や末梢循環改善のために末梢血管拡張剤のビタミンEやニコチン酸などの内服を投与しますが、掻痒(かゆみ)が強いときにはかゆみ止めを使用します。また、炎症をとるためにステロイドの外用薬が必要になる場合もあります。あまりかゆみなどが長引く場合は、しもやけ(凍瘡)以外の病気の場合もあります。暖かくなっても治らないときは、別の病気の可能性を疑い、必ず専門医に相談してください。


ひび・あかぎれ
[原因]
しもやけと同じく寒冷の刺激、多汗症、その他体質的なものが考えられます。 水仕事、種々の洗剤やシャンプー等によって起こる手湿疹や、しもやけ等もきっかけになります。

[症状]
ひびは、皮膚、よくに手足の皮膚が、寒冷な空気や脂肪不足などのためにカサカサになり、赤くただれてかゆみが強い状態をいい、ひどくなってその部分の皮膚が厚くなり、弾力がなくなってひび割れを生じるようになるとあかぎれといいます。したがって、本質的には同じ病気で、程度の軽い方がひび、重いほうがあかぎれとなります。

[予防]
原因を除去するようにすることが大切です。洗剤などの使用頻度が多ければ減らすようにしましょう。あるいは、食器を洗うとき手袋を使用することもよい方法です。

[治療]
これもしもやけと同じく、ビタミンEなどの入った治療薬を塗り、手の保湿に心がけることが重要です。また、ひび割れた部分が物などあたって痛い場合は、バンソウコウなどで保護することも必要です。今はあかぎれ用の特別なテープも市販されているようです。

  最近は本当にしもやけのお子さんは来られませんね・・・。足や耳にできたあまり腫脹のない紫色〜赤色の湿疹を何でしょうか?といってこられることがパラパラ。ぱっと見、あまりしもやけぽくないですね。暖房が行き届いているせいでしょうか?寒い時に泥んこになって外で遊ぶことが少なくなったせいでしょうか?良い事なのか、悪い事なのか良く分かりませんね!あかぎれはむしろお母さん方に多いようですが!



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