汗疹(あせも)(07/10/1更新)

[汗疹とは?]
  汗の出口がふさがれて炎症がおこったものです。あせもは一般的に赤いあせも(紅色)の事をいいますが、赤ちゃん、幼児には赤いあせものほか白いあせも(膿ほう様汗疹)があります。白いあせもは皮膚の浅いところに出来る為、痒みはほとんどありません。しかし、皮膚の少し深いところに出来るあせもでは強いかゆみを伴います。


[原因]
  汗をたくさんかいても蒸発もできず、皮膚面へもなかなか流れ出にくいようなとき、汗孔や導管がつまり、汗が皮膚の中に溜まることによって起きます。湿疹になっているものが殆どで、その場合は汗疹性湿疹(かんしんせいしっしん)といいます。汗疹は体および四肢の衣服と摩擦する部位とか肘・膝・脇・頸・股などの間擦部(かんさつぶ)に多く出来ます。汗をかきやすく、体温調節の出来にくい乳幼児がなりやすいです。高温多湿の環境で働いたり運動した場合、発熱性の病気で大量に汗が出た場合、ギプスをした場合あるいは通気性の悪い衣服を着用した場合などにも多く発生します。なおアトピー性皮膚炎が夏季に悪化することが知られています。アトピー体質の人は汗の刺激に反応しやすく汗疹が出来やすいためと考えられます。

[症状・合併症]
  汗疹は普通かゆみを伴い、赤いぶつぶつが皮膚に発生します。汗疹に細菌感染が加わると膿疱性(のうほうせい)汗疹になります。膿疱性汗疹から伝染性膿痂疹(のうかしん)(とびひ)や汗腺膿瘍になることもあります。またカンジダの皮膚炎を起こすことも多いです。

[予防と治療]
  症状は、皮膚を涼しく乾いた状態に保つことで抑えられます。ボディーパウダーや制汗剤も役に立ちます。汗を増やす状態を避けるべきなので、エアコンで調節できる環境が理想的です。
  皮疹が出たら、ステロイドのクリームかローションを用います。これに少量のメントールを加えたものを使うこともあります。しかし、局所用薬よりも、皮膚を涼しく乾いた状態に保つ方が効き目があります。
  あせもの対策としては、単純ですがよく洗うことが一番のようです。できるだけ汗が出たままの状態で放っておかないことが、あせも対策として有効のようです。
(1)1日に何回もシャワーを使って汗分を流すか、冷たい気持のよい濡れたタオルで汗分をふき取りましょう。
(2)乾いたタオルなどで汗のかいたところをふいて摩擦しないようにしましょう。
(3)クーラー、除湿器を有効に使って湿度と温度を適度に調節しましょう。



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