五月病(07/5/21更新)

[五月病とは]
主に新入生・新入社員などが連休明けの5月ごろに陥る無気力・無関心・無感動などの状態を一般に「五月病」といっています。
本来は大学生を対象に“学生の無気力症Student apathy”として「本業である学業には消極的で無気力となり不登校を呈することが多いが、それ以外の社会活動やアルバイトなどへの意欲は保たれる」という部分的な無気力のことを指していましたが、現在では社会人などにも広く使われています。

[原因]
[1]個人的要因
「五月病」の原因は一様には説明がつきませんが、一般的には几帳面で真面目・完璧主義の人に多いといわれています。そのような人が、入学・入社などを契機に「自分とは何か」「自分らしい仕事は何か」「自分は何を求めているか」などアイデンティティの混乱を来し、葛藤に陥ったときに生じると考えられています。
[2]社会的要因
個人の性格や防衛機制の問題だけでなく、大学の大衆化、学歴社会といった学生をとりまく社会環境など、社会的要因も関係しているとされています。

[症状]
五月病で心に見られる症状: 気持ちが落ち込み、抑うつ気分や憂鬱(ゆううつ)になる
不安感、あせり、イライラ感を感じる
やる気が出ずに、何をするのも面倒、億劫(おっくう)になる
興味・関心がわかず、無気力になる
思考が抑制され、思考力・判断力が持てない
五月病で体に見られる症状: 不眠や、眠っても十分眠った気がしないなどの睡眠障害
なんとなく体がだるく疲れやすい程度から強い疲労感まで
食欲がわかない、食欲が無いなどの食欲不振
朝起きられなかったり、脱力感がある
腹痛、便秘、下痢
頭痛、めまい、吐き気
五月病(六月病)は「うつ病」に似た症状がありますが、「うつ病」が抑うつな気分ややる気が起きない状態が長引き症状も重いのに対して、五月病(六月病)は、一時的で症状も軽い点が異なります。

[対処法]
ストレスを貯めないように気をつけましょう。
スポーツや音楽を聴く、読書をするなど、自分に合ったストレスの解消法を見つけましょう。ただストレス解消といって食べすぎてしまったり、アルコールを飲みすぎてしまったりというのは逆効果です。新たな目標や関心を見つけることも大切です。新しいものにチャレンジすることで、生活の中に刺激を与え、生活の活性化を心がけましょう。


  「五月病」といってもその概念や使われ方は曖昧で、実際には様々な症状を含んでいることがあり、うつ病のような精神疾患が存在する場合もあります。その場合は薬物療法など早期に治療が必要となることもあり、特に症状が生活全般に及ぶ場合は注意が必要といえるでしょう。
  小児科としてはあまり関係の無い概念のようです。保育所や幼稚園に行きだしたお子さんを見ていると、4月末になって、やっとお母さんから離れた環境に少し慣れてきだしたところで、長い休みがあり、休み明けに行くのが又嫌になってしまう・・・、というようなことはありますね。緊張が解けて疲れて感染しやすいのもこの時期ですが!

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