乗り物酔い(06/8/28更新)

  夏休みはいろいろな所に出かけられたでしょうが、中には車にいつも酔ってしまう・・・、というお子さんも多かったのでは?学校からの山の家、海の家に行くときも、車に酔うので、とお薬を希望される方もおられます。今週はこのお話をします。

[原因]  乗り物酔いになる仕組みは、まだ完全には分かっていないようです。ここでは、現在いわれている原因をご紹介します。目で見ている画像と体で感じている動きの認識が、脳の中でずれて混乱してしまうことによって起こります。事前にどっちにカーブするかが分かっていると酔いにくくなる、というのはこのためです。子供は乗り物の動きを予測できない場合が多いので、乗り物酔いしやすいといわれています。また、乗り物の動きを予測できたとしても、動いている物に乗っているという不安や、動きに慣れていない状態だと、乗り物の振動で耳の中にある(内耳)平衡感覚をつかさどる器官が過剰に刺激されてしまい、それが脳に伝わって乗り物酔いになるといわれています。
このように、内耳(平衡感覚)、目(視覚)、筋肉(体感)のバランスが脳の中で混乱してしまうのが原因とされています。また、不安感などの不快な気持ちが症状を引きを越すこともあります。

[症状]  気持ちが悪い、顔色が悪くなる、冷や汗が出る、生唾が多くなる、生あくびが出る、めまいがする(ぐるぐる目が回る)、息が荒くなる、頭が痛くなる、心臓がどきどきするといった症状が出てきます。ひどくなると、吐いてしまうことがあります。このような症状が出てきたら、乗り物から降りることが一番です。降りてしばらくして落ち着くと症状が治まります。

[治療]  乗り物から降りることが一番なのですが、バスや電車等ですぐに降りられない場合は、窓を開けて新鮮な空気を吸ったり、遠くを眺めたり、ベルトを緩めたり胸元を楽にするなど体を楽にします。立っている場合は、なるべく座らせてもらうようにしましょう。症状が軽い場合は、おしゃべりをしたり、ストレッチをしたり、気分を変えることが重要です。症状が重い場合は、降りるか、吐いてしまうとすっきりします。吐いた後は、口の中をゆすいですっきりさせましょう。

[予防]  脳が疲れていると酔いやすくなりますので、乗り物に乗る前日は十分に睡眠をとり、疲れないようにしておきましょう。また、空腹な状態でも脳にエネルギーがいきませんので、消化の良いものを腹八分目程度には食べておくようにしましょう。乗り物に乗っているときには、不安感、緊張感をとるように周りの人とお話しするか、外を見るなどリラックスするようにしましょう。気が紛れるからといって、本を読んだり、ゲーム機で遊ぶのは避けるようにしましょう。
  乗り物酔いがひどいようでしたら、乗り物に乗る30分ぐらい前には飲むようにしておきましょう。少し乗り物酔いになってからでも薬を飲むと楽になることがあります。乗り物酔いは、精神的な部分もありますので、「薬を飲んだから大丈夫」という安心感から乗り物酔いがひどくならない場合があります。

  車の酔うのは大人になると余り無くなるようですね。自分で運転をするようになると治るようです。それでもすごく揺れる船の場合は、今まで車酔いなどしたことがなくても酔ってしまう人があるようですが!内耳の平衡感覚をつかさどる器官が過敏な人がなりやすいようです。たかが、車酔い!でも本人はしんどいものです。ゆっくり回復するのを待ちましょうね。

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