脱水症(06/8/14更新)

  脱水症と効いてどのような事を思い浮かべるでしょうか?真夏の熱中症など暑い季節のことだと思われる方も多いことと思います。でも、発熱や下痢、嘔吐によっても起こされます。腸などでのウィルス感染による下痢や嘔吐はいつでもおこる可能性があるので、脱水症は夏だけでなく、いつも注意しておかないといけないようです。
  そして、脱水症を言葉通りとらえると、体の水分が失われてしまって具合が悪くなってしまっているのだと思ってしまいがちです。でも実は、水だけではなく電解質というものも失われてしまっているのです。
  こうした脱水症は、体の小さなお子さんのほうがなってしまいやすく特に注意が必要なのですが、ご年配の方にもあてはまることも忘れてはいけません。

[脱水症とは?]
  脱水症の事を簡単に説明すると、体から出て行く水分と補われる量とのバランスが乱れてしまい、体の中に存在する水分量が極端に少なくなってしまうことを指しています。そして、体から出て行く水分は、汗であったり水様の便だったり尿、あるいは嘔吐によるものだったりします。こうした出て行く水分には電解質が必ず含まれているもので、この出て行った分を補うには水だけではなくて電解質も必要になってくるのです。

[電解質とは?]
  からだの生体機能を維持していくためには、電解質も大切な成分のひとつです。電解質って聞きなれない言葉かもしれませんね。化学的には水などに溶かした時にプラスイオンとマイナスイオンになるもののことを言いますが、身近な所では食塩がナトリウムイオンと塩素イオンでできていることは皆さんもご存知のことと思います。その他にもマグネシウムやカリウムなどといったものも同じ電解質の仲間です。一般的にはイオンと呼ばれているものをまとめて電解質としてもいい印象を受けます。

[治療]
  激しい下痢や高熱などで救急外来を訪れると、たいていの場合は点滴を受ける事になります。時には抗生物質や症状を抑える薬を混ぜてあることもありますが、点滴自体には体の水分と電解質の調節を補うことも目的としているものです。体液のバランスの乱れを補う事で体のコンディションを元に戻していくのです。 こうした脱水症状も軽度から中等度でも初期の段階では口から飲む経口補水液を利用するという方法もあり、最近注目をあびています。というものの、日本で今まであまり知られていないだけで、衛生環境が悪く、医療を行なう設備や環境も整っていない地域の方が進んでいるようです。病気になる人が多い上に点滴などの器具や充分な消毒や抗生物質などの薬品が不足しているので、点滴に代わる方法として多くの実績があるからと考えられます。
  脱水症になったからといって、あわてて一度にたくさん飲んではいけません。弱った体に負担をかけないように、まさに点滴が体に入っていくように、少しづつの量をくり返し、ゆっくり時間をかけて飲んでいきます。嘔吐や下痢などの時には食事も充分に摂れない場合があります。経口補水液は水分と電解質の補給がおもな働きです。食事が取れない状況の時には、経口補水液の後、様子をみながら栄養分も摂るようにしていくのが良いようです。

copyright(c) 2004 Yamauchi Clinic. all right reseaved.