頭痛(05/8/15更新

  腹痛を訴えるお子さんは多いですが、3〜4歳になると、頭が痛い、という訴えも聞かれるようになります。今まで、頭が痛い、なんて言ったことがない!とびっくりして来院されることがあります。小さいお子さんの場合、痛みの場所はあまりはっきりせず、痛いのか、しんどいのか良く分からないことも多いのですが、今週は頭痛の話をします。

〔注意しなくてはいけない頭痛〕
1)頭部外傷の後の頭痛
  強く頭をぶつけた後の頭痛、特に3回以上嘔吐する場合、外傷後5秒間以上意識をなくしていた場合、10分間以上の出血が続く場合など。
2)非常に強い頭痛
  痛がって泣き叫んだり、逆に痛みの為にぐったりしてしまっている場合。
3)発熱、嘔吐を伴う頭痛
  これは訴えは多いですが、顎先を胸につけさせた時に(首を下に曲げた時)首の後ろを痛がる場合は、髄膜炎の疑いがあります。 
4)意識状態がおかしい時の頭痛
  頭痛を訴え、もうろうとしたり、錯乱状態になったり、視点が定まらない場合。
5)日を追って次第に強まる頭痛
  特に朝に強く、悪心、嘔吐を伴う場合。
6)神経症状が出てくる場合
  急に視力が落ちた、歩き方がふらついておかしい、手足のしびれがあるなど。だんだん元気がなくなってくる場合も要注意です。
※このような症状のある場合は、すぐに病院を受診して下さい。
   
〔他の病気が原因で起こる頭痛〕
1)視力低下:乱視、遠視、近視、眼鏡の度が合っていない。
2)鼻がつまっている:副鼻腔炎など。
3)咬合不全:咬みあわせが悪い場合。
4)たちくらみ、めまい、朝起きられない:起立性調節障害(自律神経の調節が悪い)の疑いがあります。
 
〔慢性の頭痛〕
1)緊張性頭痛
  ストレスなどによって、首や側頭部の筋肉が緊張し続けることにより起こります。痛みはギューッと締め付けられるような痛みで、圧迫感、重い感じがいつからともなく始まりダラダラ続きます。後頭部を中心に両側が痛くなり、首や肩の凝りや目の痛みを伴います。
2)片頭痛
  頭の片側がズキンズキンと脈打つように激しく痛む頭痛発作が、4〜24時間くらい続きます。頭痛に先立ち目の前がチカチカしたり、症状がひどくなると吐いたりする子供もいます。眠ると頭痛が治ることもよくあります。遺伝素因があり(約50%)、親に同じ症状がある時はこの可能性が強いです。幼稚園ぐらいから始まることもあります。ストレスや緊張感から開放された時、食事や睡眠をきちんととらなかった時、人ごみや騒音、気候の変化、生理などで誘発されます。
 
  頭痛といってもいろいろな原因でおこります。子供の場合でも稀に、脳腫瘍が見つかることがあります。大人のように脳血管障害、くも膜下出血などは、まずありませんが・・・。片頭痛は症状で診断できることもありますが、除外診断でもあるので、症状が強いようであれば、精密検査等はしておいた方がいいかも分かりません。


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