ここのところ、おなかの病気ばかり取り上げています。今週はまとめとして、腹痛がある時に、どんな病気があって、どんな風に対処したらいいのか、ということをお話したいと思います。子供はよく腹痛を訴えます。便秘でもかなり強く痛がる場合もあります。殆どの場合おなかの病気が原因ですが、おなか以外にも胸部や精神的なことが原因になることもあります。 <腹痛があるとき、どんな事に気をつけたらよいのか?>
お子さんが突然に腹痛を訴えるときは、下痢の前であったり、嘔吐の前であることが多いです。便が出たりもどしたりすると痛みが無くなって落ち着きます。たった1日だけの便秘でも強い腹痛を訴えることがありますが、トイレに行っても便が出なくて痛みがとれず、受診したところ、浣腸をした後にすっかり痛みがとれてけろっとして帰る子供さんは本当に多いです。腹痛があっても元気があり、食欲もある時、長い時間続かないときは、家で様子を見ていても全く心配はありません。家で浣腸してみるのもひとつの方法です。 <診察が必要なとき> ☆突然、おなかが激しく痛み出し、1時間以上続くとき ☆下痢がひどいとき、血液が混じっているとき ☆嘔吐を繰り返すとき ☆熱が出ているとき ☆おなかがはっているとき ☆顔色が悪いとき ☆苦しそうにおなかを曲げて歩くとき <緊急を要する症状は>緊急処置として開腹手術を必要とするもの=急性腹症 ★顔色が悪く、激しい痛みを訴えるとき ★頻回に嘔吐し、ぐったりして腹部を硬くしているとき ★3歳前のこどもで繰り返し強い痛みを訴え、血便などが出てくる場合 いろいろな病気がありますが、子供の場合は、急性虫垂炎、イレウス(腸重積、胃腸炎の麻痺性イレウス、先天的な異常が原因により腸がねじれておこるイレウス)が原因として多いです。 急性腹症という状態は大人の場合は、子宮外妊娠も含めて実にいろいろな病気が含まれます。子供の場合はあまり沢山の病気は含まれませんが、虫垂炎のように診断が難しいこともありますので、とにかく本人の状態がおかしいようであれば、早く病院に受診するようにして下さい。
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