急性虫垂炎(05/7/19更新

 いわゆる”盲腸”といわれているものです。盲腸の先端についている虫垂突起という部分が急性の炎症を起こすものです。今週はこのお話をします。虫垂炎は乳幼児には殆どみられませんが、4歳を過ぎた頃から多くなり、10歳以上では成人と同じ頻度で発病するようになります。

[原因]  虫垂突起の部分がつまったり、細菌感染を起こす為と考えられています。かぜや便秘、胃腸炎が誘因となることもあります。

[症状]  激しい腹痛に微熱や嘔吐を伴います。一般に腹痛はみぞおちやおへその辺りから痛みだし、しだいに右下腹部に痛みが集中するようになります。痛みはずっと続き途中でおさまる事はありません。この典型的な腹痛は55%くらいで、子供の場合は痛み始める部位はいろいろで、幼児の場合は痛みを上手に表現することが出来ず、どんな痛みかわからないことが多いです。前かがみになって痛がったり、体を前屈しないと歩けなくなります。また、子供の虫垂炎は進行が早く、虫垂に孔があいてしまうことが多いです。特に6歳以下の穿孔率は60〜70%といわれています。痛みの訴えが正確でないことが多いので、診断が難しいこともこの一因といわれています。

[治療]  炎症の軽い場合は、抗生物質治療で効果があります。子供の場合は手術で虫垂切除するのが原則のようです。膿瘍を伴う場合は、手術後にその部位にチューブをさし込んで膿を出し、膿がなくなるのを確認するドレナージ治療を行います。


  子供の虫垂炎は診断が遅れることが多い為に、腸に孔があいてしまうケースが多くなります。おなかが何時間も痛み続けたり(周期的に痛くなったり治ったりはしない!)嘔吐がある場合は、早めに受診するようにして下さい。

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