流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は、昨年末から少し多くなっています。これも風疹や、伝染性紅斑のように3〜4年毎に周期的に流行する病気ですが、最近ははっきりとした山は作りにくくなっています。下図は京都府のデータではありませんが、全国的には同じ傾向にあります。1989年にMMRワクチンが接種されるようになってから、明らかに抑えられていたようですが、副反応の問題から中止され、大きな流行はなくなったものの、だらだらとした波を作りながら、小流行はやはり続いています。以前よりはおたふくかぜのワクチンを打つ人はふえているのでしょうが、定期接種ではありませんので、まだまだ多くはないのでしょうね。 おたふくかぜは比較的軽症で終わる場合も多いので、ワクチン接種をすべきかどうか、議論の多いところでした。しかし、脳神経、聴覚、睾丸、卵巣などにも症状が出た時には重症となる場合もあり、後遺症が残る危険もあります。また、最近は病気そのものが少なくなると、子供の時にはうつらず、成人になってから感染する例も多くなり、この場合は重症になりやすくなります。おたふくかぜは治療薬がありませんので、ワクチン接種して予防する・・という事のみが、有効な対策といえます。長い目でみると、抗体を持っている人の数が増えることが、病気の撲滅にもつながっていくでしょう。[自然感染の合併症とワクチンの副反応] 1994年〜2003年:ワクチン出庫数137万個のうちの例数です。
現在使われているおたふくかぜワクチンは弱毒化されたムンプスウイルスの生ワクチンです。感染の予防率は90%です。色々な考え方はあるとは思いますが、子供は勿論、罹患していない成人もこのようなリスクを避ける為には、接種を受けるのが必要かと考えます。自然感染を減らす為には、おたふくかぜの好発年齢、特に10歳までにワクチン接種を済ませることが望まれます。
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