みずいぼ(伝染性軟属腫)(05/5/2更新

  みずいぼは発疹症のなかでは、多いものです。正式な病名は伝染性軟属腫、と、皮膚科の病名は随分難しいものが多いですね。1年中みられますが、暑くなるとプールの関係で、相談に来られる人の数が増えます。今日はこのお話をします。

[原因]  伝染性軟属腫ウイルス。いぼの一種です。接触感染でいぼが破れて中のウイルスが飛び散るとそれに触れたほかの皮膚や他人にうつります。感染力は非常に弱いです。アトピーなどで皮膚が傷つきやすくカサカサしている皮膚に感染しやすいようです。小児に多いです。 一度かかると免疫ができるので、2回かかることはありません。

[症状]  真ん中が少し窪んだ数ミリ程度の盛り上がった湿疹。胸、わきの下、肘、膝などに多発します。痒みを訴えないことのほうが多いですが、時にみずいぼの周囲ががさがさになって、湿疹様の変化がみられ、強い痒みがみられることもあります。掻くと中にあるウイルスが飛び散りますので周りの皮膚にどんどん広がって数が増えていきます。

[治療]  ウイルスなので、有効な薬はありません。ピンセットでみずいぼをつまんで取るということもしていますが、取っても自分自身に抗体が出来ていなければ、又ほかの場所に出てきます。抗体が出来るまで、早い人で6ヶ月、遅い人で2年くらいかかります。基本的には放置し、自然治癒を待つのが良いかと思います。みずいぼの周りの皮膚の炎症が強く、痒みも強い場合は、掻いて回りに広がっていきますので、炎症を抑える塗り薬を出すことがありますが、みずいぼには効果はありません。「ヨクイニン」という漢方薬がいぼの増加を抑えたり、消失させる効果があります。効果の発現には個人差があり、2週間服用して変化が無ければ効かない・・・ということになりますが。

[プールに対する考察]  みずいぼがあるとプールには入れ無いので、取ってもらって下さい、という保育所があります。平成11年4月1日より学校保健法が改正され、みずいぼは「原則としてプールを禁止する必要はない」ということが公に認められるようになったので、最近は少なくなりました。水を介して感染することはありません。繊細な傷があったり、肌荒れや湿疹があるとその部位に感染しやすいので、スキンケアに気をつければ予防できるでしょう。


  以前に比べると、プールに入れないので、みずいぼを取って下さい、といって来院される数は減りました。自然に治るので放置すれば良いと説明するのですが、それでも痒みが強く広がる勢いの強い人や、あまり数が多く人目が気になるので!という理由でたまに取ったりしています。この方法はとにかく痛いです。当院では、局所麻酔のテープを貼ってきてもらってから、取ったりしています。痛みはかなりましになりますが、数が多いとそれでもだんだん子供さんは嫌になって泣くようですが・・・。みずいぼは確かに気になりますが、気長に待つと治っていきますので長い目でみてあげて下さい。

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