頻   尿

 トイレに何回も行く・・・といって受診されるお子さんは多いです。急に何回も何回もトイレに行き、行っても出ないのにまた行かないと気がすまない、という症状です。痛みを訴えることはないですね。何かに気をとられているときは大丈夫だったりするのですが。何回もおしっこに行きたくなることを頻尿といいます。

[原因] 頻尿を起こす病気には、尿路感染症、糖尿病、尿崩症などがありますが、尿には異常がみられない心因性のもの(過敏性膀胱とか神経性頻尿とも呼ばれます)があります。

[症状] 尿路感染症の場合は、排尿痛、蛋白尿、膿尿があります。糖尿病の場合は多飲多尿、尿糖がみられます。尿崩症の場合は低張尿(比重の低い薄い尿)を認めます。このような異常の無い場合には、心因性と考えられます。心因性の場合は昼間の起きているときのみ起こり、夜間、頻尿の為に睡眠が妨げられることは殆どありません。また、昼間でも何かに集中している時は尿意を感じないことが多いようです。

[心因性頻尿] ストレスによる心理的緊張により尿意を催すものです。試験や発表会の前に尿意を感じやすくなることは児童にはしばしばみられますが、大抵は短期間で症状がなくなることが多く、病的とはみなされません。でも、心理的な緊張が持続する場合には頻尿が続き、排尿に対する不安とともに自信がなくなり、症状が長期化してしまうことがあります。
 症状発現のきっかけは色々考えられます。例えば、以前尿路感染症にかかった時に我慢していた尿意が、尿路感染症が治っ手も続く場合。子供が重大な心理的ショックを受けるような出来事、例えば友人の前でお漏らしをしてしまった経験が発症のきっかけになることがあります。他にも、新しく始まった学校の集団生活での先生や友人とのトラブル、兄弟間の葛藤、親子関係の問題など、心理的緊張を持続させる状況が続いていると、頻尿は長期化します。

[治療]
 原因疾患のある場合は、その治療。心因性の場合は何がストレスになっているかを注意深く見定め対処することです。対応の仕方は、基本的には排尿へ意識が集中し過ぎないようにすることです。何回もトイレに行くことを非難したり、尿を我慢させたりする方法は、いっそう尿意に意識が向いてしまうので良くはありません。長引く場合は頻尿をおさえる薬を使う場合もあります。

頻尿のある時は、まず、何か病気が無いかどうかを確かめる必要があります。しばらく様子をみて続くようであれば、受診するようにして下さい。

copyright(c) 2004 Yamauchi Clinic. all right reseaved.