先日、乳幼児のBCG接種の前に行っているツベルクリン反応を来年から実施しない、ということが新聞に載っていました。今週はこのことをお話したいと思います。 [ツベルクリン反応とは] BCGを接種する前に、結核菌に対する免疫があるかどうかを調べるためのものです。この検査は予防接種ではありません。結核菌から抽出した成分を注射し、この注射の48時間後に注射をして赤くなったところの大きさを測ります。免疫があれば注射部位の発赤が大きく現れます。10mm以上は陽性です。10mm未満は陰性です。
[BCGとは] 弱毒化した牛の結核菌の生ワクチンです。結核性髄膜炎や粟粒結核(全身の結核感染症)に対して高い予防効果があります。肺結核に対しては50%の発病予防効果があります。1回接種で10〜15年の効果があるといわれています。現在、結核の蔓延している開発途上国の殆どでは、新生児へのBCG接種が行われていますが、先進諸国では集団接種はしていないところが多いです。感染の危険性のある集団にのみ、積極的にBCG接種を行っています。日本でも、小学校、中学校の再接種は効果が無いということで、平成15年度より中止になっています。 結核は昔ほど怖い病気ではなくなっていますが、まだ少なくはありません。乳幼児が感染して重症化するのを防ぐという意味でBCGは行われていますが、これも将来は個別接種に変わるかも分かりません。結核については後先になりましたが、次週にお話します。
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