クループ症候群

のどの声の出るところ(喉頭:左図参照)が腫れることによって空気を充分吸い込めない状態になり、呼吸時、特に吸気時に呼吸困難になる病気です。寒い季節に多いようです。



[原因]
細菌、ウイルス、マイコプラズマ、真菌(かび)などの感染が原因。アレルギー性要因や心理的要因が関与する場合もあります。ジフテリア菌が起こすものを真性クループ(喉頭ジフテリア)といいますが、今日殆ど見られず、私自身も全くみたことがありません。

[症状]
犬やオットセイが吠える様な特徴的な咳(犬吠様咳嗽)。嗄声(声がかれること)。息を吸うときにゼーゼー、ヒューヒューという音が聞こえる(吸気性喘鳴)。高熱が出る事もあります。泣いたり、興奮したりすると喘鳴はひどくなります。又夜に強くなりやすいですが、第1日目以降は徐々に楽になっていきます。その後痰の絡んだ咳に変わり少し長引いたりします。ウイルスが原因のものは、喉頭炎のみで軽いものが多いですが、細菌によるものは喉頭蓋炎となり、重篤になりやすいです。夜間突然発作性に起こるものはアレルギー反応や心理的要因が関係するのではないか・・といわれています。

[治療]
細くなった部分の腫れをとるような吸入が必要です。呼吸困難が強い場合は入院して酸素吸入、輸液(点滴)が必要になります。インフルエンザ菌などが原因になるものは前述のように急激に呼吸困難が進む場合もありますので、注意を要します。喉頭炎の場合は呼吸困難は軽いことが多いので、家庭では保温、加湿をして、水分を多めに与えるようにしてください。

かつては仮性クループという言い方もありましたが、ジフテリアの真性クループが殆どありませんので、今はクループと言っています。私は喉頭炎という病名を使う方が多いかと思います。ケンケンという咳をして、苦しそうになることが多いですが、1晩過ぎれば楽になります。重症化するものもありますので、お子さんの呼吸の様子には気をつけて見ていて下さい。

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