急性腎炎

  先週、溶連菌感染症のところで急性腎炎の話をしましたので、今週は少し詳しく説明したいと思います。

[原因]  原因の殆どが溶連菌によるもので、感染してから1〜2週間後に発病します。4〜5歳から学童期に多い病気です。

[症状]  腎臓の組織(糸球体)の炎症によって起こる病気で、腎臓の機能が落ちる為に、血尿、体のむくみ、高血圧といった症状がでます。尿量が少なくなるのも特徴です。

[治療]  高血圧などの症状の強いときは、入院して絶対安静が必要になります。塩分や水分、蛋白制限をし、溶連菌に対する治療も行われます。尿所見が正常化するまでに、1〜2ヶ月かかりますが、初期の症状の激しさの割には、小児の場合は慢性化することも少なく、完全に治る病気です。治癒後も日常生活上の制限はありません。大人の場合は三分の一くらいが慢性化するようですが・・・。20年ほど前までは、小児科病棟の入院患者の中心は、急性腎炎のよるものでしたが、近年、風邪に対して抗生物質を与えるようになってから、少なくなりました。溶連菌感染症に対して10〜14日間の抗生物質治療が行われてからは激減しています。

  腎炎例は、溶連菌感染症が自然に治ることも多いため、医療機関にかからずに治った子供さんが発病している場合が多いようです。 ただ、こういう例があるからといって、風邪に対して、必ず抗生物質を与える必要は無いのですが・・・。特別なのどの痛み、発熱と腹痛、繰り返す熱発などを医療機関にかかる目安にすれば良いでしょうか?

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