昨年から、今年の花粉飛散がかなり多いだろうと予測されています。昨年が非常に少なかったので、それに比べると非常に多いようですが、例年との比較では、西日本では2倍ていどであるようです。今年の傾向をお知らせします。
環境省が実施している調査研究報告(第1報)によれば、平成23年春のスギ・ヒノキ科花粉総飛散量は、例年に比べ非常に少なかった平成22年春(昨シーズン)と比較すると、全国的に多くなると予測されます。例年との比較では、西日本で例年並みか例年よりも少なくなると予測されますが、東北から近畿にかけては例年より多くなる見込みです。また、スギ花粉の飛散開始時期は、昨シーズンよりやや遅く、例年と同じくらいか例年よりも5日前後遅くなると予測されます。
一部地域を除き、全国的に花粉症が重症化するレベルであると考えられるため、前シーズン比や例年比での増減に関わらず、予報に基づいた早めの花粉症予防対策等が必要と考えられます。
平成23年春のスギ・ヒノキ科花粉総飛散量の予測について 春に飛散するスギ及びヒノキ科花粉は前年夏の気象条件に大きな影響を受けます。花粉数に影響するのは6月から8月の日照時間や気温、降水量などで、特に7月上旬から8月中旬にかけての期間の影響が大きくなっています。 そこで、平成22年6月から8月、特に7月上旬から8月中旬にかけての日照時間や気温、降水量などから、平成23年春のスギ・ヒノキ科花粉の総飛散量を予測しました。
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前シーズンとの比較
平成23年春の花粉の総飛散量は、平成22年の7月・8月ともに平成21年より日照時間が長く、気温が高くなったことにより、全国的に昨シーズンより多くなる見込みです。
特に東海地方や近畿地方の一部では、非常に少なかった昨シーズンに比べ、10倍以上になる地域があると予測されます。
関東から北の地方と西日本でも、昨シーズンの2倍から6倍になる地域が多いと予測されます。 |
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例年との比較
例年との比較では花粉の総飛散量は西日本で例年並みか例年より少なくなる見込みです。東北から近畿にかけての地方は例年より多くなると予測されます。
東日本では北陸及び甲信の一部で例年の1.5倍から2倍と多くなり、そのほかの地域も例年の1.1倍から1.5倍になる見込みです。ただし10年平均自体が、近年増加傾向であることにご留意ください。
西日本では近畿地方の一部で例年の2倍以上になり、そのほかも1.1倍から1.3倍程度と多くなる見込みです。一方、中国・四国、九州では7月の日照不足と大雨の影響で例年並みか例年の5割から8割程度と予測されます。 |
(補足)ヒノキ科花粉の飛散量の増加について
上記の予測では、スギ及びヒノキ科の花粉を合わせた予測結果としていますが、このうちヒノキ科の予測については以下のようになっています。
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ヒノキ科花粉は、日照時間に加え、気温による影響を大きく受けると言われています。今年の7月・8月の日照時間が長く、かつ気温が高かった東海、近畿では、ヒノキ科の花粉は全般に多めになる可能性が高い見込みです。 |
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近年、西日本では雄花をつけるまでに成長したヒノキが多くなったこともあり、ヒノキ科の花粉がスギを上回る飛散量となる年が増加してきています。このため、西日本では予測値を上回る可能性があります。 |
平成23年春のスギ花粉前線予測について
スギ花粉を放出する雄花は、日長時間や一定期間の低温へのばく露等により開花の時期が影響されます。このことから、気象庁12月17日発表の1ヶ月予報及び11月26日発表の3ヶ月予報を参考に、スギの花粉飛散開始について、以下のとおり予測しました。
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平成22年11月以降の気温の経過は、西日本は平年よりやや低く、そのほかは平年より高めに推移しましたが、気象庁の季節予報によれば、これから年末にかけて気温が低くなると予測されています。また、平成23年1月の気温は平年並みになる確率が高いと予測されています。 |
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このため、雄花の休眠覚醒はほぼ例年並みですが、スギ花粉の飛散開始日は平成22年春よりやや遅く、例年並みか例年より5日前後遅くなる可能性が高いと見込まれます。 |
花粉症予防対策の必要性
近年の花粉飛散量は多くの地域において増加しており、1980年代には大量飛散とされていた1000個/cm2を超えて、平成23年春も8割以上の地域が2000個/cm2を超える飛散になると予測されます。
このため、一部地域を除き、全国的に花粉症を発症し、しかも重症化する期間が長くなると考えられます。前シーズン比や例年比での増減に関わらず、予報に基づいた早めの花粉症予防対策等が必要と考えられます。
昨年の花粉飛散量が非常に少なく、多くの人が今年は花粉症は楽だ、治った?!と感じられたと思うので、例年と比べると非常に多くはなさそうですが、昨年の印象よりはかなり多くなりますので、楽観しないでください。又昨年は夏が暑かったので飛散開始も早い、と言われていましたが、昨秋、今年に入ってからのこの冷え込みで、花粉の飛散開始は遅くなりそうです。ただ、花粉は少しは飛び始めているようで、症状を訴える方もないことはないので、早めの予防に努めるようにしてください。 |