2009年度 新型インフルエンザ情報 No.16(10/2/1更新)

インフルエンザ情報は少し久しぶりです。流行は下火です。学校が始まって少し増えましたが、その後は年少者も高齢者もあまり多くなってきません。感染症情報センターの第2週と、京都市の第3週のデータを転記します。

2010年第2週のインフルエンザの定点当たり報告数は8.13(報告数39,053)となり、2009年第49週以降減少が続いています。

都道府県別では沖縄県(49.98)、宮崎県(16.29)、静岡県(16.02)、福井県(15.41)、鹿児島県(13.69)、愛媛県(12.97)、高知県(12.71)、愛知県(12.30)、岐阜県(11.76)、滋賀県(11.12)の順となっています。定点当たり報告数は、40都道府県では前週よりも減少がみられ、10.00を超えているのは14県となりました。沖縄だけが異常に多くなっています。今までも他の県に先だって流行が始まっているので、これから又他の県でも増えてくるのかも知れません。

京都ではすでに週当たりの報告数が5.10まで少なくなっています。

定点医療機関からの報告数をもとに、定点以外を含む全国の医療機関を1週間に受診した患者数を推計すると約48万人(暫定値)となり、第28週以降これまでの累積の推計受診患者数は約1,923万人(95%信頼区間:1,904万人〜1,942万人)(暫定値)となりました。性別では男性約996万人(51.7%)、女性約929万人(48.3%)であり、年齢群別では5〜9歳約488万人(25.4%)、10〜14歳約454万人(23.6%)、15〜19歳約268万人(14.0%)、0〜4歳約211万人(11.0%)、20〜29歳約200万人(10.4%)、30〜39歳約140万人(7.3%)の順となっています。5〜9歳、10〜14歳の年齢群は増加に転じましたが、20代は減少し、他の年齢群も減少かまたは横ばいでした。但し、推計受診患者数は、受診患者数の多い医療機関がより多く選定されている傾向があることなどから、真の受診患者数より過大であると考えられています。この点を踏まえ、推計受診患者数についてはあくまで参考値として理解していく必要があります。

京都でも年齢分布については同じ傾向にあります。

日本で新型インフルエンザウイルスAH1pdmが検出された2009年第19週以降2010年第2週までに、全国の地方衛生研究所から25,293件のインフルエンザウイルスの検出が報告されており、そのうちAH1pdmは24,239件(95.83%)を占めています。また、特に患者報告数が増加し始めた2009年第28週以降では、2010年第2週までに23,040件のインフルエンザウイルスの検出が報告され、AH1亜型(Aソ連型)18件(0.08%)、AH3亜型(A香港型)135件(0.59%)、B型6件(0.03%)、AH1pdm(新型インフルエンザウイルス)22,881件(99.31%)とインフルエンザウイルスの検出報告数の大半をAH1pdmが占めており、現在国内で発生しているインフルエンザの殆どは新型インフルエンザによるものであると推定される状態が続いています。

京都では検出された検体は陽性になるものは全てAH1pdmです。報告は第2週のもので2週間前ですが、まだ季節性インフルエンザウイルスは検出されてきていません。時々、A型に2回感染した方があるので、季節性ではないか?と言われて、学校でも季節性ウイルスのインフルエンザの生徒がいる、というところがありましたが・・・。

第2週までで日本全体で、推定1900万人の方がインフルエンザに罹っているようです。もう少し少ないのかもわかりませんが、約15%ですね。新型ウイルスによるインフルエンザの発生が確認された時に、本格的流行時の被害は日本のみで最悪で感染者3000万人、死者12万人になるというような予測がたてられました。幸い心配されていた強毒性のAH5N1ではなく、感染者が10代、20代の若い世代が多かったので、現在のところ亡くなられた方は180名少しです。他の国に比べても日本の死者は驚異的に少ないようですが、今までの季節性インフルエンザに比べてもはるかに少ない致死率です。また、実際の感染者異常に不顕性感染者が多いのではないか、とも言われています。もし、これで今シーズンの流行が終わってしまうのであれば、来シーズンは今年度に罹らなかった方が罹るのでしょうが、第2波はあまり大きくないのかもわかりませんね。

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