2009年度 新型インフルエンザ情報 No.15(09/12/14更新)

インフルエンザは第48週より少なくなりだし、ここ3週は横ばい状態です。全国的には少なくなってきているところが多いのですが、まだまだとても終息には至っていません。国立感染症情報センターの集計は第48週のものですので、今年の最高値になっていますが、京都ではピークは過ぎたようです。
第48週の国立感染症情報センターの集計と、第49週の京都市の集計を転記します。

2009年第48週のインフルエンザの定点当たり報告数は39.63(報告数190,801)と3週連続で増加し、2009年の最高値を更新しました。都道府県別では福井県(95.44)、大分県(75.22)、宮崎県(69.08)、山口県(63.59)、福岡県(63.35)、鹿児島県(61.95)、長崎県(59.14)、石川県(59.06)、香川県(54.87)、愛媛県(52.87)の順となっています。定点当たり報告数は、北海道を除く46都府県で20.00を上回り、40府県で30.00を、27県で40.00を上回っていますが、19都道府県では前週よりも減少しています。

京都市では10月下旬から11月上旬の第44週がピークでした。当院では44週は多くなったものの、45周、46週と横ばいで、ピークは全国よりも1週早い第47週でした。全国的には上述のように今から増えてくるところもあり、すでに早くからピークは過ぎているところもあり、どうもまちまちの様です。

年齢群別では10〜14歳約350万人(27.8%)、5〜9歳約338万人(26.9%)、15〜19歳約192万人(15.3%)、0〜4歳約119万人(9.5%)、20〜29歳約102万人(8.1%)、30〜39歳75万人(6.0%)の順となっています。第48週は、これまで流行の中心ではなかった0〜4歳の低年齢児及び20代、30代を中心とした成人層の増加が目立っています。

京都市でも年齢群別に構成割合をみると,「5〜9歳」,「0〜4歳」,「10〜14歳」の順に割合は高くなっており,「0〜4歳」の割合は,第41週以降増加傾向を示しています。

日本で新型インフルエンザウイルスAH1pdmが検出された2009年第19週以降第48週までに18,417件のインフルエンザウイルスの検出が報告されており、そのうちAH1pdmは17,370件(94.3%)を占めています。また、特に患者報告数が増加し始めた第28週以降では、第48週までに16,177件のインフルエンザウイルスの検出が報告され、AH1亜型(Aソ連型)18件(0.11%)、AH3亜型(A香港型)130件(0.80%)、B型5件(0.03%)、AH1pdm(新型インフルエンザウイルス)16,024件(99.05%)とインフルエンザウイルスの検出報告数の大半をAH1pdmが占めており、現在国内で発生しているインフルエンザの殆どは新型インフルエンザによるものであると推定されます。
B型陽性例の報告が9月ごろよりパラパラあるのですが、感染研の調査では殆どB型は検出されていません。B型は散発例のみで、決して2人以上に広がることはないので、本当にB型陽性が正しいのかどうか疑わしいこともあるのでは?と思っています。当院でも弱陽性はたまにみられますが、判定は陰性、としています。AH亜型(A香港型)は少しはあるようですが、実際にこれらの季節性インフルエンザが流行しだしているとはまだ思えません。     

小学校によっては、生徒の70%近くがすでに感染しているところもあり、罹患者が増えると感染は減っていくと思われますが・・・。小学校が終息に近づいても、今後は年少者、高齢者での感染が増えていくのでしょう。
大阪の高校での集団感染後の血清検査の結果が発表されました。それによると不顕性感染が18.4%もあったとのことで、症状が無くても感染している例は2割近くもあるようです。また検査後に発症した108人のうち、高濃度の抗体を持つ人が3人おり、発症が1度にとどまらない可能性もあることも判明しました。ウイルスが変異している訳で無く、新型インフルエンザに2回感染する可能性もある、ということですね・・・。確かに当院でも10月と11月に2度A型に感染した例を経験しています。これはどちらかが季節性のインフルエンザであったのか、新型に2度感染しているのか、擬陽性であったのか・・・。確かに2回ともクラスでは流行していましたが。

少しづつ新型インフルエンザワクチンの接種が始まっていますが、1度の接種のみではとても効果は無く、打った後で感染された方も残念ながらあります。とにかく接種開始が遅いですので。ただ、大人の方でも新型ワクチンを接種してある程度の期間が経ち、効果のあるはずの時期に感染して亡くなられている方もありますので、今後2回接種が終わった後も、どれだけの方が感染して、どれだけの重症化を防ぐ効果があるのか・・・。不安の残ることでもあります。

copyright(c) 2007Yamauchi Clinic. all right reseaved.

| 閉じる |