2009年度 新型インフルエンザ情報 No.10(09/9/14更新)

  このところインフルエンザ関連の話ばかりになってしまっています。最初の予想よりも患者の発生数が少ないので、10月ピーク説は少し後ろにずれるかも・・・ということですが、そもそもピークが来るのだろうか?と疑問です。増え続けるのみで、これから寒くなっていくのに減らないのでは?発生数の多かった沖縄では、ピークがきて患者さんは減っているようですが。

  感染症発生動向調査によると、インフルエンザの定点当たり報告数は、2009年第28週以降増加が続いており、第35週は2.52(報告数12,007)となりました(図1)。定点医療機関からの報告数をもとに、定点以外を含む全国の医療機関を1週間に受診した患者数を推計すると、約14万人となります。都道府県別では沖縄県(36.00)、大分県(3.72)、大阪府(3.08)、福岡県(3.08)、東京都(3.01)、高知県(3.00)、千葉県(2.95)、埼玉県(2.60)、熊本県(2.35)、愛知県(2.34)の順で報告されています。沖縄県の報告数は大きく減少しましたが、青森県、栃木県、和歌山県を除く44都道府県で定点当たり報告数が1.00を超えています。また、保健所地域をみると47都道府県の409保健所地域で定点当たり報告数が1.00を超えており、インフルエンザの流行地域は増大しています。

  京都市の場合も同じように横ばい状態です。第35週のデータですので、今はもう少し増えていますが。

  年齢群別では5〜9歳9,210例(21.8%)、10〜14歳8,372例(19.8%)、15〜19歳6,751例(16.0%)、20〜29歳6,125例(14.5%)、0〜4歳5,406例(12.8%)の順となっています。10歳未満の報告数の割合が増加してきており、20歳代までで全報告数の約85%を占めています。京都市でも年齢階級別構成割合をみると,第30週〜35週の累積では,過去5年平均に比べ,10歳代(41.2%),20歳代(22.6%)の割合が高くなっています。

  日本で新型インフルエンザウイルスAH1pdmが検出された2009年第19週以降35週までに6,635件のインフルエンザウイルスの検出が報告されており、そのうちAH1pdmは5,666件(85.4%)を占めています。また、特に患者報告数が増加し始めた第28週以降では、第35週までにAH1亜型(Aソ連型)12件(0.3%)、AH3亜型(A香港型)80件(1.8%)、B型4件(0.1%)、AH1pdm(新型インフルエンザウイルス)4,440件(97.9%)とインフルエンザウイルスの検出報告数の大半をAH1pdmが占めており、現在国内で発生しているインフルエンザの殆どは新型インフルエンザによるものであると推定されます。

  患者の報告数が二桁になり、次週はどれだけ増えているでしょうか・・・。各自予防に努めてもなかなか難しいところもあり、とにかく手洗いはまめにして下さい。集団で生活をしているお子さんのいる家庭では、食前は必ず流水で15秒以上、ハナが出ている時はできるだけ触ったら後で手洗いを充分する習慣をつけ、自分の鼻や目、口をむやみに触らない癖をつけてください。

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